「iPhone」は中国において、ほかの市場ほど人気を博していなかった。
中国におけるiPhoneの独占キャリアであるChina Unicomは現地時間11月3日、iPhone販売開始後の最初の4日間で、5000人の加入者と契約したと述べた。最初の週末の加入者数としては驚異的な数字というわけではないが、China Unicomはそれでも嬉しく思っていると述べた。
「われわれはこれまでのところ、iPhoneの売れ行きに満足している。そして、われわれは近い将来、毎月100万人の新規3G加入者と契約することを目指している」とChina Unicomの会長であるChang Xiaobing氏は、Reutersに対して話した。
AT&Tは2007年6月、初代iPhone販売開始後の最初の週末に、米国で14万6000人の新規加入者と契約したが、中国における最初の週末の売れ行きをこれと比較するのは難しい。中国は、WiFi機能なしのiPhoneを販売しなければならないことに加え、米国のキャリアが通常は相手にしなくてもよいこと、つまり安価なiPhoneコピー商品の巨大市場とも戦わなくてはいけないのだ。
グレー市場携帯電話と呼ばれるこれらの中国産携帯電話は、政府から正式なライセンス許可を得ていない。メーカーはそうした携帯電話に関して税金を払っておらず、偽のMobile Equipment Identity(MEI)番号を使用している。そのため、グレー市場携帯電話は安価で、プリペイド式のワイヤレスアカウントで使用することが可能だ。さらに、おそらく当然のことではあるが、そうした携帯電話の人気はますます拡大している。
市場調査会社のiSuppliによれば、グレー市場携帯電話の2009年における出荷台数は、前年の1億100万台から44%増えて1億4500万台に達する見込みだという。参考までに紹介しておくと、(正式なライセンス許可を得た)携帯電話の世界における出荷台数は11億3000万台である。従って、1億4500万台というのは、その約13%に相当するかなりの台数だ。
それでも、Appleの事情に詳しいアナリストは既に、中国におけるiPhoneのデビューを「期待外れ」と評している。Piper JaffrayのGene Munster氏は、2010年のiPhone世界販売台数のうち、中国で販売されたものが100万〜200万台を占めるようになると予測していた。しかし、今回の低調な滑り出しを受けて、Munster氏はその数字を55万台に下方修正した。
もっとも、中国は3Gネットワークの多くを増強している最中でもある。従って、中国において、iPhoneのようなデバイスがほかの市場と同様に本当の意味で定着するには、まだ時間がかかるかもしれない。
「最終的に中国はiPhoneの大規模市場になるとわれわれは考えている」とJaffray氏は3日、リサーチメモに記した。「しかし、米国でもそうだったように、販売台数が一定の水準に達するには1〜2年を要するかもしれない」(Jaffray氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス