1Kマンションで生まれる二足歩行ロボット--ROBO-Engineの挑戦 - (page 2)

永井美智子(編集部)2007年06月12日 16時41分

 EMMA-U0Aの開発は、ソフトウェアエンジニアだった中野氏が、2000年5月に青山学院大学で開発された二足歩行ロボット「Mk.5」を見て「自分も二足歩行ロボットが作りたい」と思い、千葉工業大学に入学したところから始まる。そこでロボットの技術指導をしていた二田氏と出会い、小型二足歩行ロボットの開発が始まった。

 それまでいくつものロボット開発を手がけていた二田氏は2カ月ほどで基本的な設計を終え、半年ほどでEMMA-U0Aを作り上げた。その後、基盤などの小型化を進めて現在の形に至っている。

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 設計でこだわったのは、とにかく小さくすること。なるべく全体をスリムにするために、それぞれの部品の隙間ができないように調整している。「子どもが遊んで落としても怪我をしないようにしたい」(二田氏)と、将来的には600g程度にまで軽量化する考えだ。

 本体の色は、あえて暖色系のオレンジを採用した。ロボットは青や黒などを使ってシャープな印象を持たせるものが多いが、「子どもや女性が見ても可愛いと思ってもらえるようにした」(二田氏)と配色にもこだわった。

 EMMA-U0Aの販売にも乗り出す。当初は大手玩具メーカーなどに話を持っていったものの、「『すごい』とは言ってもらえるが、駆動部分が多いため、壊れた場合にどうするのかといった点や、大量生産できるかという点が課題になった」(中野氏)。そこで、販売代理店を通じて受注販売することにした。販売はユビキタスエンターテインメントが手がける。まずはサイト上で購入希望者を募り、部品の調達などができた段階で注文を受け付ける。価格は20万9790円(税込み)となる予定だ。

 中野氏と二田氏に将来の夢を聞くと、「街を歩いていて、ふと見ると誰かが自分の作ったロボットを動かしている、というのを見たい。『あれ、俺が作ったやつじゃない?』となったら嬉しい」(二田氏)、「乗れるロボットを作ります。それから、仮想空間とロボットをつなげて、3D映像をロボットを使って動かせたり、ネットを経由させて遠隔操作できたりしたら面白いですね」(中野氏)という答えが返ってきた。ROBO-Engineの挑戦は、始まったばかりだ。

070612_robo8.jpg 二田氏の自宅にはロボットを作るための道具が並ぶ。まさに「ガレージベンチャー」とでも呼ぶべき光景だ

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