混沌とするブラウザ競争の行方は?

2009年3月28日 00時00分

 米国時間3月19日、Microsoftがブラウザの最新版「Internet Explorer(IE) 8」の正式版を公開しました。一方、ライバルのMozilla Foundationも最新版「Firefox 3.5」の公開に向け、開発を進めています。Googleは「Chrome」正式版を公開し、Mac版開発にも取り組んでいますが、Appleはその前にChromeによく似たブラウザ「Safari 4」をリリースしました。

 各社のブラウザ競争はどんどん複雑化していきます。現在の主戦場はどこにあるのでしょうか。パネリストの皆さんが考える競争のポイントを聞かせてください。


  • 江島健太郎
    江島健太郎さん (エンジニア、アントレプレナー)
    Internet Explorerの凋落なんて、たった3-4年前でさえ思いもしなかったですよね。

    競争のポイントは、記事ではJavaScriptの高速化ってことらしいですが、まぁ高速化ってのは数値化しやすい土俵なんで燃えるでしょうけど、実は「ウェブ開発者にどれだけやさしいか」という軸がボディーブローのように効いてくるんじゃないかと思います。

    たとえば私のメインブラウザはSafariですが、開発に使ってるのはFirefoxです。FirefoxにはFirebugとかWeb DeveloperとかPosterとか、とにかくデバッグに欠かせないアドオンが沢山あるんですね。なので、私が作るサイトはまずFirefoxに対して最適化されることになります。で、自分で使う段階になってはじめてSafariで表示が変な部分を見つけたりします。利用できるブラウザに制約のあるエンタープライズはともかく、一般のウェブ開発にFirefoxを使ってない人ってもうあんまりいないんじゃないでしょうか。

    この意味するところは、あくまでFirefoxがリファレンスプラットフォームになっていて、他のブラウザの独自拡張とかは存在しないのと同じということです。2009年現在では、Firefoxがウェブ標準のペースセッターと考えて差し支えないかと。

    メインストリームなユーザにとっては受難の時代が再来したのかも知れません。イノベーションってようするに新しいツールを「選択」し、「使い方を覚え」なきゃいけないってことですから。今までなら無難にInternet Explorerさえ使ってれば表示の乱れるページに困ることはなかったのに、状況が変わってきました。そしてしばらくこの混戦状況は続きそうです。
    2009-03-28 00:23:10

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