UPDATE ラスベガス発--Microsoftが「Internet Explorer(IE) 8」の開発を終え、米国時間3月19日に正式版の提供を開始した。
「Firefox」などのライバルにシェアを奪われるなか、Microsoftはユーザーの中でもとりわけIEの旧版を利用している人々に、新版を体験してもらいたいと考えている。
マーケティング活動の一環として提供された動画の中でMicrosoftは、インターネットの歴史を振り返り、「Accelerator」やプライベート閲覧モードなど、ブラウザの新機能を披露している。Acceleratorは、ブラウズ中に発生する作業を、他のウェブページに移動することなく処理できる機能。
このビデオは、MIX 09イベントでのブラウザの正式発表に先立って公開された。また正式版のIE8もMicrosoftのウェブサイトで提供が開始されている。
IE担当ゼネラルマネージャーのDean Hachamovitch氏は「MIXでこれをリリースしたのは、みなさんや開発者がこれで何を作り出すか見たかったため」と述べ、新ブラウザのデモを開始した。同氏がデモで喧伝したのは、クリックジャッキング対策機能などのマルウェア対策だ。
Hachamovitch氏はまた、集まった多くのウェブ開発者に対し、かなり多くの時間を割いて、IE8を旧版よりもずっと標準に準拠させるためにとったMicrosoftの動きについて話した。
IE8の最大の弱点は、その処理速度にある。Microsoftは2つの方法で処理速度に対する注目をそらそうとしてきた。まず、同社は動画を先週公開し、IE8は多くのケースにおいて、他のブラウザより高速に主要なウェブサイトを表示すると述べた。次に、平均的なユーザーにとって、速度の違いは大きな問題でないことをアピールした。
Microsoftのシニアディレクターを務めるAmy Barzdukas氏は18日、インタビューに応じて「多くの場合、一瞬のわずかな速度の差を争っている。このわずかなスピードの差が影響力をもってしまっている」と述べた。
IE8は、「Firefox」だけでなく、GoogleやAppleなどとの競争も激しくなる中でリリースされることになる。Net Applicationsが測定しているIEの世界ベースのシェアは、2004年は90%だったが、2008年末には70%をわずかに上回るレベルまで減少している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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