仕事用とプライベート用に2台のスマートフォンを持ち歩かなくてはならないことにうんざりしている人向けに、この悩みを解消し、どこへ行くにも複数の端末を持っていく必要がなくなるような選択肢が登場しつつある。
そうした製品の1つが「VMware Horizon Mobile」というソリューションだ。簡単に言えば、このプラットフォームを使うと「電話の中にもう1台の電話」を持てる。つまり、1台の端末上に仕事用とプライベート用のモバイル環境を別々に持てるということだ。ユーザーは1台のスマートフォン上に2台分の電話番号とデータアカウントを持つことができるようになる。
コンピュータのハードドライブにおけるパーティションのようなものと考えればいいが、仮想化のおかげで仕事専用に使用する容量はずっと少なくてすみ、2つのユーザーインターフェースを切り替えるのもはるかに簡単だ。
仕事用の環境は完全に暗号化され、電話番号(あるいはスマートフォン本体かもしれないが)を支給する企業の使用条件に縛られるが、プライベート用の環境はそれに縛られず、あらゆるアプリケーションをダウンロードしたり使用したりできる。
VMwareで製品管理担当ディレクターを務めるHoofar Razavi氏が、先ごろサンフランシスコで開催されたOpen Mobile Summitで説明したところによると、VMwareとしてはモバイル端末のOEM企業と協力して端末を企業向けに対応させることにより、エンドユーザーには好きな端末を自由に購入してもらい、IT部門が無線を通じて仕事用の仮想環境を支給できるようにする予定だという。
実際の画面はプライベート用の電話が実際のメイン画面になっている。そこに「Work Phone」を起動するアイコンがある。これをクリックすると、2番目の画像で示すVMwareのUIが表示される。仕事用環境の容量は1Gバイトも使わないはずで、承認済みのアプリケーション(Salesforce.comなど)を揃えた企業の社内専用アプリケーションストアについても考慮されているため、ユーザーは費用や設定の手間が増えることを心配する必要はない。
こうしたアプリケーションストアや端末の管理は、プラットフォーム画面を通じてIT部門が制御できる(そのため、個人所有の端末を業務に持ち込むことで引き起こされるセキュリティ上の懸念をある程度軽減できる)。
VMware Horizon Mobileはまだリリースされていないが、リリースされればOSの種類を問わずあらゆる携帯端末に完全対応する予定となっている。
Razavi氏によると、スペインの大手通信事業者Telefonicaが2つの電話回線を利用できるようにすることを発表済みだが、Verizon Wirelessはまだ意向を正式に発表していないという。最終的な実装は通信事業者が決定することになりそうだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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