日本ヒューレット・パッカード(HP)とミントウェーブは18日、モバイル環境でのデータ持ち出しを防ぐセキュリティソリューションを共同で提供開始すると発表した。ミントウェーブは、シンクライアント事業を手がける企業。今回のソリューションで同社は、HPのノートPCをシンクライアント化して提供、HPはコンサルティングから導入、保守サポートまでを行う。
同ソリューションには、シトリックスのMetaFrameが応用されている。これにより、ユーザーはファイルやアプリケーションを個々のPCにダウンロードすることなく、サーバ上のアプリケーションを使って必要なデータにアクセスすることができる。クライアント側にはデータを保管する環境がなく、印刷や記録媒体への書き込みも制御されているため、企業内部からの情報漏えいを阻止することができるという。ノートPCに搭載されるOSは、Windows XP Embeddedとなる。
日本HP エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 インダストリスタンダードサーバ製品本部 プロダクトマーケティング部 池亀正和氏 |
日本HP エンタープライズストレージ・サーバ統括本部 インダストリスタンダードサーバ製品本部 プロダクトマーケティング部の池亀正和氏は、重要なデータなどをメールに添付して配信することが日常的に行われている点を指摘し、添付されたデータがコピーされたり持ち出されたりする危険性が排除できないと述べる。シンクライアントとMetaFrameをセキュリティツールとして利用することで、「メールへのデータ添付の代わりにファイルサーバ上のURLを送付し、受信者はサーバ上にあるデータをクライアント上にダウンロードすることなく閲覧できる」と池亀氏。ユーザーごとにデータの閲覧権限が与えられており、権限のないユーザーがデータにアクセスすることを防ぐことができるほか、閲覧権限が与えられていても、文書保存、コピー/ペースト、印刷など、機能別に制限をかけることもできるという。「PCの画面をそのままカメラで撮影されてしまうとどうしようもないが、このソリューションを利用すればPC上の操作によるデータの持ち出しに制限をかけることができる」(池亀氏)
また、このソリューションでは、ネットワークも含めたMetaFrameの導入プランも提供している。MetaFrameを社内ファイアウォールのように位置づけ、すべてのシステムの接続をMetaFrame経由で行う構成に切り換えることが可能。クライアントから直接基幹システムに接続しないため、サーバ内の情報漏えいも防ぐことができるほか、ウイルス感染も防止できるという。
同ソリューションの価格は個別見積りとなるが、シンクライアント本体の価格は最小構成で13万円からになるという。すでに日本HPの社内でも、見積りシステムでシンクライアントソリューションを導入しているという。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス