世界最大の最も有名なオンライン百科事典が、オフラインへの進出を果たす。
ユーザーの手による百科事典Wikipediaを運営するWikimedia Foundationが、約2000項目を収めたCDを制作する意向であることを発表した。同CDには「Wikipedia Version 0.5」という愛称が付けられ、芸術や科学、地理などのテーマをカバーする。専用の検索エンジンが同梱される。
Wikimediaによると、項目はオンライン版の中から厳選され、誤記や偏見による記載、非文化的な記載、マーケティング目的の記載は修正されるという。
Wikimediaでは、将来的にさらに項目を充実させたハードコピー版のリリースも計画しており、さまざまな言語のバージョンも制作したいとしている。
実は今回出される英語版は、Wikipediaにとって初めてのハードコピーではない。ドイツ語版のハードコピーはすでに第3弾まで出ている。また、ポーランド語版も制作中で、数週間以内に登場する見通しとなっている。これには、23万件以上の項目と数千件の図版が収録される。
英語版に収録される2000件前後の項目を選択したのはWikipedia 1.0 Team。
Wikipediaの広報担当は、「質の高い総合百科事典に期待されるものを提供するのが狙いだ。オンラインのWikipediaがもつような情報の即時性はないが、充実した情報をより多くの人に提供できる」と語っている。
ハードコピー版は、知識欲の旺盛なユーザーをターゲットにしている。インターネットへのアクセスが難しい学校なども対象に含まれる。
先の広報担当は、「だれもがブロードバンドにアクセスできる先進国に住んでいるわけではない。だから、書籍やCDもしくはDVDといったアイデアを重要と思い、優れた項目を人の手で選んでハードコピー版に収録している。これはかなり初期段階のバージョンなので『0.5』とした。内容の充実した最終版に至るまでにはさまざまな作業が行われることになる」と付け加えた。
ハードコピー版の制作はフランスのLinterwebという会社が担当する。同社はフランス語版「Wikipedia Version 0.5」でもWikimediaと作業を進めている。CDは、Windows、Mac OS X、およびLinuxに対応するオープンソースソフトウェアの「Kiwix」を使って制作される。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力