起死回生なるか--外部の人材登用に賭けるM・デルCEO

文:Tom Krazit(CNET News.com) 翻訳校正:編集部2007年02月19日 15時45分

 Michael Dell氏は現在、大急ぎで会社の体制を見直している。同氏は、会社の問題を解決する糸口をこれまでなかった場所に求めているようだ。

 Dell氏はここ数カ月間、PCメーカーDellの業績を軌道に戻そうと休む暇なく働いている。前最高経営責任者(CEO)Keven Rollins氏、最高財務責任者(CFO)Jim Schneider氏が去ったDellには、PC業界の外から多くの人が入社し、Dellの従来からのビジネスのやり方を変えようとしている。例えば同社は米国時間1月16日、Motorolaの元幹部Ron Garriques氏を迎え入れたことを発表している。

 アナリストらは、Dellの再建には、新しい戦略、より良い製品、顧客とのより密接な関係が必要だと考えている。同社は壊滅的状態にあるわけではないが、Dell氏やRollins氏が2年前に提示した予測に成長が追いついていない。またDellは、これまで同社の強みを支持してきてくれた顧客が離れていってしまっていることにも頭を悩ませている。

 個人顧客は、技術サポートの充実や、よりこだわりのあるPCを求めるようになっている。その一方で企業顧客は、サーバ向けのシステム管理機能に関心を示している。効率的に作られた手ごろ価格のPCにはもはや心惹かれないという顧客が日増しに増えている。

 Michael Dell氏は従業員に宛てた米国時間2月2日付のメモの中で、会社が成長するにしたがって広がった官僚主義を捨て去ることが必要であると認めている。同氏は新生Dellを、より敏しょう性に富み、顧客の変化に敏感な会社にしたいと考えている。これらは、Dellが他社に遅れてAdvanced Micro Devices(AMD)製プロセッサを採用したことや、カスタマーサポートやプロダクトデザインの品質が低下した点からも明らかに見てとれる問題だ。

 Dellは比較的若い会社だ。最近まで、同社の経営幹部の多くは、Dellが世界最大手のPCメーカーに登りつめるまでの道のりをともに歩んできた人ばかりだった。Dellは生まれ変わる必要があるが、過去の成功を味わった人たちにとっては自分たちを成功に導いた既存の仕組みを捨て去ることは難しいことなのかもしれない。

 Pacific Crest SecuritiesのアナリストBrent Bracelin氏は「回復に向けた最初のステップは、新しい考えを持ち込める業界のベテランを招き入れることだ」と述べる。Dellは「非常なスピードで動き回っているが、これは必要に駆られてのことだ」(Bracelin氏)

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