米eBayは4日(米国時間)、米Apple ComputerのiTunes Music Storeで購入したダウンロード音楽の再販を目的した、同社利用者によるオークション出品を取り消した。こうした音楽の再販は、eBayの出品規約に違反していると同社は説明している。
この動きは、さしあたって、音楽業界の変化がもたらしている比較的目立たない現象を劇的に演出しようとする、ある風変わりな試みに終止符を打つ。音楽業界では、CD等の有形商品の販売からデジタル形式でのネット経由のダウンロード販売への移行が始まっている。また、風変わりな試みとは、インターネット上の顧客がデジタル形式で購入した音楽を再販できるかという、未解決の問題に焦点を当てようという試みのことだ。
ウェブデベロッパーのGeorge Hotellingは米国時間2日夜、デジタル形式で購入した音楽をオークションに出品した。この問題に注目が集まることを期待してのことだった。
「eBayはサービス利用規約に反するとの理由から、このオークションを閉鎖した。しかし、それは、ユーザーが合法的に購入したダウンロード音楽を譲渡できるかという、そもそもの疑問とはあまり関係がない」と、Hotellingは4日のインタビューで述べた。
いわゆる「ファーストセール」の法原則の下では、合法的な音楽ソフトの所有者は、著作権保有者の許可なくそのソフトを販売できる。しかし、このような考え方は、デジタル形式でのみ販売される音楽に適用した場合、複雑な状況を生む。
今年4月のiTunes Store立ち上げの際、Appleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobsは、顧客は音楽をレンタルするよりも所有することを望んでいると宣言した。しかし、再販制限が強制力を持つようになった場合には、iTunes Storeによる音楽の販売が所有モデルよりもレンタルモデルに近づくことを意味する。
Appleはこの問題に関するコメントを控えている。
iTunesで購入した音楽ソフトのコピーは禁止されているが、Hotellingの言い分では、第三者へのファイル譲渡は可能という。ある極端な解決策は、彼のアカウント情報とパスワードを購入者に渡すことだ。しかし、Hotellingはそのような手段に訴えざるを得ない状況には陥りたくないと語る。
Hotellingは4日、彼の商品がダウンロード可能なメディアに関する方針に反するため、出品情報を削除するという通知を、eBayから受け取ったという。同社の方針では、インターネット経由で電子的に届けられる商品の出品を禁じている。
HotellingはeBayに対し、オークションの復活を求め、この方針に違反しない方法によるファイル譲渡が可能であることを説明する内容の返信を送った。だが、4日遅くの時点で、これに対するeBayからの返事はまだないという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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