Rajaram氏によると、Googleは、クリックしないと再生されない、いわゆるClick-to-Play型のビデオ広告を提供している。この広告では、広告主はプレーヤー画面に表示される静止画像とビデオ広告用の映像をGoogleに提供し、Googleがそれを元にビデオ広告を作成する。この広告は、動画広告の掲載を承認したGoogle AdSense利用者のウェブサイトに表示される。Rajaram氏は「バナー広告の場合、ユーザーの操作によって再生が始まる形式しか使うつもりはない」と語っている。
Googleは、ポストロール型広告とミッドロール型広告のテストを「Google Video」の有料コンテンツの一部で実施している。視聴者は、広告表示をオンにすれば、コンテンツを無料で楽しめる。Rajaram氏によると、ビデオ広告が表示されるビデオクリップでは、映像がストリーミングされている間はバナー広告が表示されるが、視聴者は広告をスキップできる。その場合には広告主には課金されないという。また、視聴者はビデオコンテンツや広告に対するコメントも投稿できる。広告の動画部分は15秒ほどの長さのものが多い。表示される広告は、Googleのテキスト広告同様、コンテンツに関連したものだ。例えば、スポーツ関連のビデオコンテンツではスポーツ用品の広告が表示される。
Rajaram氏によれば、Googleはオンラインビデオ広告にインタラクティブ機能を持たせるテストも実施しているという。「これは、ユーザーをもっと惹き込むための手段だ。われわれは、あらゆるものに目を向けてインタラクティブ性を高めようとしている」(Rajaram氏)
また、GoogleはMTVのビデオコンテンツを利用したテストも実施した。このテストでGoogleは、MTVの番組に番組内容と関連する広告を加えたビデオを作成し、Google AdSenseを利用するサイト運営者の一部に提供した。広告は番組の途中に挿入された。Googleは、同様の広告配信サービスを2007年の早い時期から広く提供する予定だとRajaram氏は述べた。
他方でGoogleは、大人気のYouTubeサイトを訪れる視聴者から具体的にどのようにして利益につなげる計画であるのかについては沈黙を守っている。
もちろん余地はある。例えばカリフォルニア州エメリービルの新興企業であるTurn Hereは、大小の企業を対象に45秒〜2分間のコマーシャルを作っている。同社は地元企業に対し、短めで比較的簡単なビデオであれば、300ドルで制作を請け負っている。そして例えばIntercontinental Hotelチェーンなどの、もっと複雑なビデオを望む大手企業からは、これより多くの金額で受注している。それでも従来の価格と比べるとだいぶ下がったと、CEOのBrad Inman氏は言う。Turn Hereのコマーシャルは多くが広告主である企業のドキュメンタリーである。
eMarketerによると、ビデオ広告の支出額は、2006年の4億1000万ドルから2007年には7億7500万ドルにのぼると予測されている。しかしこれは依然として米国のオンライン広告市場全体の4.2%を占めるにすぎない。
「ビデオ広告は検索連動型広告すらしのぐ速さで成長するであろう」とeMarketerのシニアアナリストであるDavid Hallerman氏は述べている。いずれビデオ広告は検索エンジンを経由してもアクセス可能となるだろうと、同氏は言う。
「オンライン広告でビデオを活用することの潜在力は、テレビ広告と比べると、それに費やされる金額とまではいかなくとも、その効果をはるかに超えるであろう。これはあらゆる双方向的な機能を織り込むことができるためだ」とHallerman氏は付け加えた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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