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「Winny事件を契機にエンジニアの社会問題を考える」--FreeKaneko.comの新井代表

2004/10/15 19:55
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 「Winny事件をきっかけに、(エンジニアが抱える社会的な問題を)考える大きな団体を作れたらと考えている。日本版のEFFのようなものを作りたい」--10月15日、セキュリティ技術者のためのイベント「Black Hat Japan Briefings 2004」が開催され、Winny開発者の支援を行う「金子勇氏を支援する会(FreeKaneko.com)」の代表を務める新井俊一氏が講演した。

 FreeKaneko.comは著作権法違反幇助の疑いで逮捕・起訴されたWinny開発者の金子氏の支援を行う団体。具体的には支援金の募集や広報活動を行っている。新井氏は金子氏のプログラマ仲間で、金子氏が逮捕された5月10日から自身のBlogで支援を呼びかけた。現在、FreeKaneko.comは新井氏を含む3人で運営されている。

「金子勇氏を支援する会(FreeKaneko.com)」代表の新井俊一氏

 新井氏はFreeKaneko.comを立ち上げた理由について、「日本では被疑者になった時点で犯人と決めつけるようなネガティブな報道が多く、それに反論したかった。また、金子氏に対する支援金などの申し出があり、窓口を用意する必要があった」と話す。

 今回のWinny事件について新井氏は、逮捕という事態に疑問を唱える。「日本の刑法は罪刑法定主義をとっており、犯罪として裁かれるためにはあらかじめ法に明文化されている必要がある。PtoPソフトの作成が犯罪だとはどこにも書かれていないのに、勝手に警察が起訴するのはおかしい」(同氏)

 さらに、著作権保護技術の回避技術は1999年の著作権法改正によって禁止が明文化されたことについても触れ、「回避技術は違法コピーにつながりやすいものだが、いきなり誰かを逮捕することなくまず法律を作って対応した」と指摘。警察や検察が恣意的に法運用を行うのでは、経済活動や研究開発活動が委縮してしまうと訴えた。

 FreeKaneko.comではWinny自体の是非や著作権等の問題を取り扱わず、今回の逮捕・起訴の問題に焦点を絞った。新井氏によると「ほとんど批判的な声は寄せられていない」といい、支援金も開始から1カ月で約1600万円が集まったという。現在は支援金の受付を停止しているが、今後体制が整い次第、再び受付を行うとのことだ。

 新井氏は今後の活動についても触れ、より幅広い公益的な活動をしていきたいと語る。「日本には、米国のElectronic Frontier Foundation(EFF)のように技術者の裁判をサポートする団体がなく、ソフトウェアエンジニアの職域団体もない」(同氏)。ソフトウェアエンジニアの間ではサービス残業が一般化しているなど、さまざまな問題を抱えているにもかかわらず、支援する組織がないというのだ。「労働組合として活動したり、専門家団体として教育や職業紹介、マッチングサービス、技術者の交流などを支援したりしていきたい」(新井氏)と意欲を見せた。

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