Seagateは記憶容量750ギガバイトの3.5インチハードディスクドライブ(HDD)を新たに発売し、テラバイトHDDの実現に一歩近づいた。
カリフォルニア州スコッツバレーに本社を置くSeagateは、「Barracuda 7200.10」シリーズHDDの出荷をコンピュータメーカーに対して開始した。同HDDは、垂直方向にデータを保存するプラッタを採用することで、ハードディスクプラッタの既定容量以上の情報を保存できる。
その結果、Barracuda 7200.10では、PCおよびワークステーション市場向けトップエンドモデルの記憶容量が、最大750Gバイトとなっている。Seagateによると、750Gバイトは現在、HDDとしては最大だという(これまで、同社や日立では、最大500GバイトのHDDを販売していた)。価格は750Gバイトモデルで590ドルだ。Barracuda 7200.10シリーズには、500Gバイトから200Gバイトまでのモデルもある。エントリーレベルモデルの価格は108ドルである。
「われわれは垂直磁気方式に対して割増価格を設定するつもりはない」とプロダクトマーケティングマネージャーのJoni Clark氏は述べた。
同HDDは、生産時の歩留まりが期待値より良かったため、発売が約1カ月前倒しとなっている。
現在、同HDDの容量は最大値を記録しているが、急速なHDD技術の進歩を考えると、この記録もすぐに追い抜かれると思われる。しかし、これは、Seagateが垂直磁気記録技術を市場に投入し、競合会社を制した功績を示すものである。同技術を採用しているSeagateのHDDはまだ少数だが、同社では定期的な同ドライブのリリースを開始している。
Seagateは、垂直磁気記録方式を採用したノートPC用ディスクドライブを既に発売している。先週、同社はサーバ向け垂直磁気記録方式のドライブを発表した。
Barracuda 7200.10は同社の5番目の垂直磁気記録方式のディスクドライブになる。
カリフォルニア大学バークレイ校の有名な調査「How Much Information」によると、750GバイトのHDDは、750台の小型トラックに積まれた本、あるいは3万7500本の木から生産される本と同じ情報量を持つことが可能だ。今後もストレージの需要は、高品位映像の急増に伴い高まることが予測される。一部の企業は既にテラバイトのストレージを持つストレージアプライアンスを販売している。
HDDの技術は絶えず進歩しているが、HDD市場の状況は依然として厳しいままだ。調査会社TrendFocusによると、HDDの出荷台数は2005年の3億8000万台から2006年には4億5000万に上る見通しで、HDD市場規模は18%増になる見込みだ。しかし多くの企業は利益を出すのに苦戦している。例えばSeagateは、人員削減と赤字を先ごろ発表したかつての競合会社Maxtorを買収した。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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