デジタル写真やオンデマンド配信されたテレビ番組などのコンテンツをPCに保存するユーザーが増えていることが追い風となり、少なくとも今後4年間は、ハードディスクメーカー各社は好調な業績を維持する見込みであることが、最新の調査結果から判明した。
調査会社IDCが米国時間29日に発表した「Worldwide Hard Disk Drive 2005-2009 Forecast(ハードディスクドライブの国際市場予測 2005〜2009年)」レポートによると、世界におけるハードディスクの出荷台数やそれにより生じる利益は、2004年から2009年までに複合年間成長率でそれぞれ15.5%および10.1%ずつ伸びる見込みだという。
最も速いペースでの成長が見込まれる分野は、MP3プレイヤー、ハンドヘルド型GPS、車載コンピュータ、ポータブルメディアプレイヤーなどの消費者向けデバイスに搭載される2.5インチ以下のハードディスクで、全世界における出荷台数は同期間中に37.4%増加するものと予測される。
IDCのStorage Research部門でディレクターを務めるDavid Reinselによると、消費者は、PCやメディアプレイヤーに搭載されるハードディスクの記憶容量が大きければ大きいほど満足する傾向にあるという。
だがReinselは、「消費者は、ハードディスクに一体どのようなデータを詰め込むのだろうか?楽曲を保存するのに数Gバイト、写真を保存するのに数Gバイト、といったところだろう」と述べる。その一方で同氏は、数年前に40Gバイトのハードディスクを搭載したPCが登場したばかりだというのに、今では80Gバイトのマシンが主流になりつつあると述べた。
同氏は、業界が垂直磁気記録方式を採用するようになっていることから、2007年か2008年頃には、1テラバイトの容量を達成したハードディスクが登場するだろうと予測する。垂直磁気記録方式のハードディスクは、磁気記録面に対して水平方向ではなく、垂直方向に磁界をかけてデータを記録するため、現行方式のほぼ2倍近い容量のデータを記録できる。Seagate、Western Digital、Maxtor、日立、富士通、東芝、Samsungは垂直磁気記録方式を採用したハードディスクの開発に取り組んでいる。
「2009年までには2テラバイトのハードディスクも登場するだろう。2テラバイトのハードディスクは、Tivoのデジタルビデオプレイヤーをはじめとする1テラバイトのマシンをよりパワーアップさせるために提供されることになると思われる。消費者は、好きなときにコンテンツにアクセスできる環境を整えたいと考えている」(Reinsel)
IDCは今後1年間で6億3000万台のハードディスクが出荷されると予測する。Reinselによれば、その大半を占めるのは、デスクトップやノート型のPCに搭載される3.5インチハードディスクだという。その次に多く出荷されるのは、2.5インチハードディスクで、同氏は2.5インチハードディスクが、ディスプレイの背面にマザーボードを収めたPCや、Mac miniのようなコンパクトなデスクトップのように、斬新なデザインのPCにより多く採用されるようになるだろうと予測する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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