Seagate Technologiesは米国時間8日、新たに10種類のハードディスクを発表した。このなかには、次世代の垂直磁気記録技術を用いた同社初の製品も含まれている。
このうちPC向けハードディスクは、Seagateが展開する「Barracuda」および「Momentus」のブランドで販売される。また、デジタル家電向けハードディスクのなかには同社が初めて自動車業界向けに設計した製品や、8Gバイトの携帯型メディアプレイヤー用1インチディスクも含まれている。さらに、高品位(HD)テレビ番組を最大85時間分記録可能なホームエンターテインメントシステム用の500Gバイトディスクも発表された。
とりわけ、同社としては初めて垂直磁気記録技術を採用した2.5インチのハードディスクは注目に値する。この容量160GバイトのハードディスクはまずノートPC向けに提供されるが、Seagateではこれに修正を加えて他の家電製品向けにも販売するとしている。
左から1インチディスク「ST1」、垂直磁気記録技術を採用した2.5インチの「Momentus 5400.3」、自動車向けの2.5インチディスク「EE25」、500Gバイトの3.5インチディスク「Barracuda 7200.9」
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SeagateのBrian Dexheimer(ワールドワイドセールス担当エグゼクティブバイスプレジデント)によると、垂直磁気記録技術は次世代の記録方式で、ディスク上にデータビットを垂直に配列する結果、従来の水平磁気記録方式に比べて、およそ2倍のデータを保持できるようになるという。
「垂直磁気記録技術は、選択肢というよりも必須事項だ。今日の磁気記録技術には限界が来ており、われわれは何か別のことをしなくてはならなかった」とDexheimer。垂直磁気記録技術を光技術と組み合わせれば、ハードディスクの容量を大幅に改善できる可能性があると同氏は説明する。「2.5インチディスクで、1.5テラバイトも夢ではない」(Dexheimer)
「そうした製品が実現されるまでには何年もかかるだろう。だが不可能ではない」(Dexheimer)
8Gバイトの1インチディスクはすでに出荷が始まっており、3.5インチの500Gバイトディスクは今年夏に出荷される予定だ。垂直磁気記録技術を採用した2.5インチのノートPC用2.5インチディスクが登場するのは今年の冬となる。
Seagateでは、来年までに、同社製品の70〜80%を垂直磁気記録技術を使ったものに切り替える準備を進めている。同社は先ごろ、PC以外の用途に使われるハードディスクの売上が、昨年の4%から今年は14%まで急増したことを報告していた。
Dexheimerは、垂直磁気記録技術の採用でギガバイトあたりの単価が下がり続けると付け加えた。400Gバイトのディスクの場合、現時点のコストは1Gバイト約75セントだが、まもなく登場する500Gバイトの製品では1Gバイトあたり約65セントまで下がることになるという。
垂直磁気記録技術を採用した製品の開発は、日立グローバルストレージテクノロジーズ(日立GST)や東芝も行っている。日立GSTはSeagateと同じく2.5インチのハードディスクを開発しており、2005年中に製品化すると発表しているが、容量は120GバイトとSeagateのものよりも少ない。東芝はより小型の1.8インチディスクを2005年半ばに量産する計画だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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