Hewlett-Packard(HP)は9日(米国時間)、IntelのItaniumプロセッサ搭載の新サーバと、同社のPA-RISCチップシリーズの中で最後から2番目にあたるPA-8800チップを採用した新サーバを発表した。
既報の通り、今回発表された製品の中にはItaniumベースのローエンドモデルや、PA-8800ベースのハイエンドモデルが含まれている。HPによると、PA-8800搭載モデルの方は、現在ほぼ全機種が発売になっており、プロセッサを128基搭載した最上位機のSuperdomeも3月に発売予定という。
HPは、ハイエンドサーバ向けのプロセッサを、PA-RISCチップからItaniumへと徐々に切り替えているが、同社のUnixサーバを使用している顧客の大半は、現在もPA-RISCベースのモデルを使用している。PA-8800は1枚のシリコン片上にPA-8700チップを2基搭載したデュアルコアプロセッサで、PA-8700の1.5倍の処理能力を持つという。
Itaniumプロセッサ搭載モデルには、低価格の新Itaniumプロセッサを搭載し、現在発売中のrx2600や、厚さがわずか4.5cmという薄型で、3月発売予定のrx1600などがある。
今回HPが新モデルを発表した背景には、サーバ市場における競争が熾烈化しているという現状がある。同市場ではここ数年、値引きを競う消耗戦が展開されていたが、ここにきてようやく成長軌道に戻りつつある。HPが新型サーバを発売するのに合わせて、Sun Microsystemsも10日に新型UltraSparc IVプロセッサを搭載した新サーバを発売する。またIBMも年内に新型Power5ベースのUnixサーバ、Squadronの発売を予定している。
HPは、Unixサーバに搭載するプロセッサを、PAチップからItaniumチップへ徐々にシフトしつつある。また同社は、AlphaServerシリーズに搭載していたAlphaチップやNonStopシリーズに搭載していたMIPSチップの使用も、段階的に中止している。AlphaとMIPSは、どちらも同社が2002年に買収したCompaq Computerから取得したものだ。
HPは品揃えの簡素化を図る一方で、ProLiantサーバの製品ラインを拡大する。同社は9日にIntel製の32ビット型Xeonプロセッサを搭載したモデルを発表し、さらに情報筋の話では、将来Advanced Micro Devices(AMD)製の64ビット型Opteronプロセッサ搭載モデルも発表する予定という。HPはこれらの新型チップについて、32ビット型x86チップシリーズが自然に進化したものとしているが、業界アナリストらはこれらのチップが登場したことで、以前は明確だったx86チップと64ビット型Itaniumプロセッサとの違いが曖昧になったと見ている。
情報筋の話によると、Intelは、かつてYamhillという名称で呼ばれ、現在はClackamas Technology(CT)という開発コード名の付いた、独自のx86-64アーキテクチャの開発に取り組んでいるという。
PA-8800チップはデュアルコアを採用しているため、2つのプロセッサを1つのチップソケットに挿入できる。HPでは、PA-8800チップ1基を2プロセッサとカウントしている。この数え方はIBMのアプローチと共通しており、同社でもデュアルコアを採用した既存のPower4やまもなく登場予定のPower5を、2プロセッサとしている。これに対して、SunはデュアルコアのUltraSparc IVを1プロセッサとカウントしているが、これは自社のチップでは同時に2つのスレッドが実行可能である点を強調するためだ。
HPによると、128基のプロセッサを搭載したSuperdomeは、最大で64基のPA-8800チップを搭載できるもので、3月発売時の価格は30万9000ドルからとなるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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