Hewlett-Packard(HP)は、Advanced Micro Devices(AMD)のOpteronプロセッサを搭載したサーバを発売する計画を進めている。これで4大サーバメーカーのうち3社がOpteronを採用したことになり、AMDにとってはまたもや重要な勝利を収めたことになる。
複数の情報筋によると、HPは同社のProLiantサーバにOpteronチップを1〜4基搭載したモデルを登場させるという。正式発表は2月に行われるが、このサーバの発売はしばらく先になる模様だ。
儲けの大きい企業コンピューティング市場において取るに足らない存在だったAMDは、昨年4月に発売したOpteronチップが売れ行き好調で、いまや中心的なプレーヤーの1つとなりつつある。
IBMはすでに、Opteronを搭載したサーバとワークステーションを発売している。Sun Microsystemsでは今年中にOpteron搭載サーバを発売し、また同社のSolarisオペレーティングシステム(OS)をOpteronに移植する予定だ。
AMDはHPとの契約により、世界の4大サーバメーカーのうち3社と設計契約を結んだことになる。残る1社はDellで、同社は製品にIntelチップのみを採用している。ヨーロッパやアジアの市場を専門としている大手サーバメーカー各社も、Opteronチップを採用している。
HPがOpteronを採用したことは、Intelにとっては後退を意味するかもしれない。Opteronでは、64ビットバージョンのアプリケーションやOSだけでなく、現在デスクトップやサーバで広く使用されている32ビットソフトウェアも稼働できるというのが主な特徴の1つだ。64ビットコンピュータは大量のメモリを処理できるので、データベースや複雑なアプリケーションの実行に利用される。このため、Opteronチップなら、IT管理者はソフトウェアに大幅な変更を加えなくてもより強力なコンピュータを導入することが可能になる。
Microsoftは2004年後半に、Opteron用に調整した64ビットバージョンのWindowsを発売する(標準的な32ビットバージョンのWindowsは、すでにOpteron上で動いている)。また、いくつかのLinuxディストリビューションでも、64ビット版はすでに存在する。IBMも同社のDB2データベースソフトウェアを、Opteron用の64ビットLinuxに移植したバージョンをリリースしている。
IntelのItaniumチップでは64ビットソフトウェアが稼働する。しかし、64ビットソフトウェアは、32ビットマシンで利用されているWindowsやLinuxのソフトウェアと全く異なり、それがなかなか普及が進まない原因となっている。
HPは、ItaniumのアーキテクチャをIntelと共同設計した背景もあり、今までサーバ分野ではItaniumを強力に支持してきていた。
「HPにはどんな選択肢があるだろう?Itanium搭載システムを購入する組織の数は限られている。そしてAMDチップ搭載マシンはいま飛ぶように売れている。Opteron戦略を持たないサーバメーカーは、市場の声に耳を傾けていないということになる」と、RedMonkのアナリスト、James Governorは述べている。
だが、IntelはItanium用のアプリケーションを増やすと公約しており、また同チップ搭載サーバの価格引き下げに向けた取り組みも進めている。
だが、ItaniumとOpteronとは直接競合はしないとの指摘もある。Itaniumは、Sunから出されている4基以上のプロセッサを積んだサーバと競合するために設計されたもので、こうしたサーバシステムは通常1万ドルから100万ドル以上の価格で販売され、また最も複雑な計算処理向けに使われている。
一方、Opteronは1基ないしは4基のチップを積んだサーバのセグメント向けに設計されている。この市場は現在IntelのXeonチップが支配しており、こちらのほうがOpteronの競合相手となる。これらのサーバは価格こそかなり安いが、販売台数では断然上回っている。「成長が著しいのは、このセグメントだ」(Governor)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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