「iPad」や「Kindle Fire」を超えるタブレットが登場しない理由 - (page 4)

Jason Hiner (TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子 石橋啓一郎2012年01月26日 07時45分

 このように、大衆が受け入れたこれら2つの成功しているタブレットには、発売された時点で2つの同じ大きな特徴を備えていた。

  1. 低価格
  2. タブレットをすぐに役立つものにしてくれるサービス

 CES 2012で紹介されている売り出し中のタブレットには、これらの特徴を両方とも備えているものは1つもない。価格が安いものはある。例えばOLPC 3.0タブレット(100ドル)やViewSonicのIce Cream Sandwichタブレット(169ドル)などがそうだ。また、Acerなどのいくつかのタブレットについてはサービスの話も出ているが、AmazonやAppleのような包括的なパッケージを持っているわけではなく、サービスを製品の中心に据えているわけでもない。これは致命的な間違いであり、CESで展示されているタブレットのほとんどは、未来は暗い。

 この問題が大きいのは特にAndroidタブレットだが、2012年中に登場するWindowsタブレットに対しても、次第に重大な問題になるだろう。GoogleとMicrosoftのどちらも、サービスのエコシステムを前面に押し出す必要があり、主に技術に興味がある人に商品を売っていたPCクローン市場にいる時と同じように振る舞うのをやめる必要がある。市場は変化している。AmazonとAppleが勝利しているのは、この2社もまた変化しているからだ。

 よいニュースは、GoogleとMicrosoftのどちらも、AmazonのKindle Fireがやっているような、サービスを中心としたタブレット製品を前面に出せるだけの要素のほとんどを、すでに持っているということだ。彼らはただ、それをタブレットの役割の中心に据え、「サインインすれば自分のものがすべて現れる」という体験を実現する必要があるだけだ。Androidはほとんどそれを達成しつつあるが、まだユーザーは、個々のGoogleのアプリやサービスに、個別にサインインする必要がある。この分断されたユーザー体験は不必要なものだ。

 はっきりさせておくが、わたしはGoogleとMicrosoftが、AppleやAmazonで得られるアプリ・本・音楽・動画のサービス体験を、そのまま模倣すべきだと言っているわけではない。むしろ彼らは、自分たちが現在得意とするサービスに焦点を当てるべきだ。Googleであればクラウドアプリだし、Microsoftならエンタープライズだ。そういった点こそ、GoogleとMicrosoftがタブレット体験を差別化すべきところであって、mini-HDMIポートでも、キーボードドックでもないし、自分たちのタブレットがiPadよりも本物のPCに近いと主張することでもない。

 だとしたら、CESでタブレットを売り出しているハードウェアメーカーはどうなるのだろうか。彼らは、デザインのイノベーションや、特定のサービスと組み合わせられるハードウェア、またはソフトウェアとサービスをどれだけうまく統合できるかで競う必要があるだろう。そしてもちろん、価格だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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