Advanced Micro Devices(AMD)は米国時間8月22日夜、販売およびマーケティングの最高責任者を務めるHenri Richard氏が、この9月にその職を退くことになったと正式に発表した。
Richard氏はプレスリリースの中で「PC業界で20年を過ごし、そのうちの5年間はこのAMDで、専門家として最もやりがいのある時間を過ごしてきたが、この辺で別の業界に移ってみようと決心した」と述べている。今後の計画について話を聞こうとしたが、同氏に直接連絡を取ることはできなかった。
AMDはRichard氏の退任について「完全に友好的な関係を保ちながら」決まったとしているが、このニュースにやや戸惑っているようにも見受けられる。この件を最初に報道したのは、技術系ニュースサイトのHEXUS.netだった。また、CNET News.comも22日にその事実を確認した。
Hard OCPのサイトでは、AMDの最高経営責任者(CEO)Hector Ruiz氏から全従業員に宛てた内部文書を公開している。AMD関係者に見せても本物らしいというこの文書の中で、Ruiz氏は従業員にRichard氏の退任を告げ、その働きに感謝して次のように述べている。「Henri(Richard氏)がAMDにやってきたとき、その最も重要な使命は、販売とマーケティングに関して世界を相手にできる国際的組織を確立することだった。その使命は果たされたと言っていい。そして今、Henriは人生における新たな挑戦を始めようとしている」
AMDは困難な時期にあり、Richard氏の退任によって、少しの間経営的に難しい状況を迎えるかもしれない。7月には、2006年にAMDがATI Technologiesを買収したことによってAMDに移ってグラフィックス事業の責任者をしていたDave Orton氏が、同社を去ったばかりだ。Ruiz氏によると、Richard氏の後任人事はまだ決まっていないが、同氏の作り上げた組織は、Ruiz氏と社長兼最高業務責任者(COO)のDirk Meyer氏が直接指揮を執るという。
AMDの関係者に尋ねても、Richard氏は9月に退任するということしか分からない。9月といえば、計画の遅れや不具合に悩まされてきた同社のサーバ用クアッドコアプロセッサ「Barcelona」(開発コード名)が、発売を予定されているまさにその時期だ。
AMDが「2007年で最も期待される製品の初登場日」と称する9月10日に、Richard氏が在籍しているのかどうかは確認できていない。同氏は欧州から始まるBarcelonaの一連のお披露目イベントに参加するものとみられていたが、これまでの計画どおりに同氏が参加するかどうかは不確かだ。Ruiz氏はサンフランシスコで開催されるイベントに出席する予定だ。
Richard氏がAMDに移籍したのは2002年で、その前はJavaソフトウェア企業のWebGainに勤めており、それ以前にはBell MicroproductsやIBMでさまざまな販売およびマーケティングの役職を務めた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」