Cisco Systemsは米国時間6月8日、新興企業2社を総額4780万ドルの現金で買収することで最終合意に達したと発表した。両社の技術は、大企業で使用されているビジネスアプリケーションとIP通信プラットフォームとの統合を支援するものだという。
今回買収される企業のうち1社は、テキサス州オースティンに拠点を置く従業員19人のMetreos(株式非公開)で、買収額は約2800万ドル。もう1社は、ニューヨークに拠点を置く従業員26人のAudium(株式非公開)で、こちらの買収額は約1980万ドルだ。買収はどちらも現金で行われる。
MetreosおよびAudiumが開発したソフトウェアは、サードパーティーの技術パートナー企業やシステムインテグレーター、および付加価値再販業者(VAR)や顧客などがアプリケーションをCiscoのUnified Communications System上に構築、配信するのに用いられる予定だ。Unified Communications Systemは、音声、データ、映像関連の製品およびアプリケーションを統合したシステムで、既存のコミュニケーションシステムをITインフラストラクチャと統合する。
CiscoのUnified Communications製品担当事業開発ディレクター、Zoltan Poleretzky氏は、次のように述べている。「両社の技術は、ビジネスアプリケーションとコミュニケーション機能を結ぶミドルウェアとして機能する。したがって、企業のビジネスプロセスを実際に働く人々と結びつけることが可能になる。両社のツールが優れているのは、Java開発者でなくてもそうした統合ができる点だ」
このツールの利用方法としては、Unified Communicationsを使って構築されたインフラに、ERP(Enterprise Resource Planning)ソフトを連携させる、といったものが考えられる。これなら、企業のサプライチェーンに問題が起きた場合にも、直ちにしかるべき関係者全員に対し、システムから一斉に通知が可能だ。
買収手続きが完了すると、MetreosおよびAudiumの製品開発グループはCiscoのVoice Technology Groupに統合され、同グループを担当するシニアバイスプレジデント、Don Proctor氏の指揮下に入ることになる。買収手続きは6月末までに完了する見込みだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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