カリフォルニア州サンノゼ発--Cisco SystemsのCEOであるJohn Chambersが、自分はセキュリティに「包括的な」態度で臨んでいると発言した。また、企業はネットワークを1つの統合システムとしてとらえるべきだとも話している。
Chambersは米国時間2月15日、当地で開催されている「RSA Conference 2006」の基調講演で、かつてのネットワークは「ピンポイント的な」セキュリティ技術を利用するだけだったが、今では連携可能な多数のツールを統合した技術を用いるところまで進化したと述べた。すなわち、会社員のデスクからシステムの心臓部まで、ネットワークの全域でセキュリティを統合できるということだ。
「社員はさまざまなネットワークを経由していると見なさなければならない。したがって、自宅からあらゆるネットワークへ至る経路にセキュリティを施す必要がある」(Chambers)
Ciscoはこうした事情を考慮した結果、オープンスタンダードの採用がネットワークセキュリティ向上につながると信じるに至ったと、Chambersは述べている。
「社員は、有線ネットワークを使用することもあれば、無線ネットワークに接続することもある。セキュリティは、有線/無線ネットワークそれぞれに別個のものを適用するのではなく、インフラストラクチャ自体に実装しなければならない」(Chambers)
医者を両親に持つChambersは、ネットワークとそのニーズを全体的な視野でとらえていると語った。そこでCiscoは、ネットワーク上で稼働するあらゆるアプリケーションにセキュリティを実装する取り組みを行っているのだという。
例えばCiscoは今週、同社の管理製品を機能強化し、ネットワーク上のアプリケーションを安全にするセキュリティ製品ラインアップに複数のアップグレードを施した。
Ciscoはまた、ネットワークのセキュリティプロセスを自動化して、攻撃が起こった際にそれを隔離する方法についても模索している。
Ciscoは2005年に、攻撃から身を守る「インテリジェントな」ネットワークを構築するための「適応型防御システム(Adaptive Threat Defense:ATD)」という取り組みを発表した。
この取り組みの一環として、Chambersは買収や提携を通してセキュリティポートフォリオを確立するという、野心的な7カ年計画を明らかにしている。
それ以来Ciscoは、ATDのコンセプトを拡大する一連の製品やサービスをリリースしてきた。その一例に、2005年5月に発表した「Adaptive Security Appliance 5500」が挙げられる。同アプライアンスは、Ciscoの18件に上るセキュリティおよびネットワーキング機能を1つのデバイスに統合したものだ。以前までこれらの機能は、Ciscoが販売していた別個の製品の一部であった。
ChambersはRSAカンファレンスの基調講演で、ネットワークの進化をムーアの法則と比較してみせた。ムーアの法則とは、マイクロチップ上のトランジスタの数は1〜2年ごとに倍増し、消費者は低価格なデバイスやコンピュータでより多くの機能を利用できるようになるという説のことだ。
「次世代ネットワークの価格は、現行の16分の1にまで下落するだろう」と、Chambersは述べている。
Chambersはさらに、ネットワークは自己防衛的な性質を帯びるだけでなく、情報がどこにあるのかを把握できるインテリジェントなものになると予測した。
「ユーザーは、情報がどこに存在しており、アプリケーションがどこで動作しているかを気にする必要がなくなるだろう。ネットワークがそうした事柄を把握するようになるのである」(Chambers)
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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