当社が携帯電話向けASPサービス群「BeMss」を利用している約800社のモバイルサイトのアクセス実績調査を開始して、4月でちょうど12カ月を迎えた。携帯電話市場が飽和状態にあると言われて久しいが、2007年12月にはついに国内の携帯電話契約数が1億台を突破し、携帯電話の「ひとり1台」「個人に届ける」販促ツールとしての地位は確固たるものとなった。個人に確実に届ける伝達手段として、企業にとっての携帯電話の価値はますます高まっている。
では、企業のモバイルサイトへは、どのキャリアからどの程度アクセスされているのだろうか。BeMssを利用している約800社のモバイルサイトのアクセス数のうち、2007年4月1日から2008年3月31日までのDoCoMo、au、SoftBankのアクセス実績を調べた。
まずは、2007年4月から2008年3月における、各キャリアのシェアの推移をみてみよう。
2007年4月と2008年3月のシェアを比較してみると、DoCoMoが0.6ポイント減、auが2.6ポイント減、SoftBankが3.1ポイント増となっている。
DoCoMoは2007年5月に最大シェア61.4%をマーク。逆に、最も低いのは2008年1月の57.7%だ。契約件数では2008年3月にシェア50%をきったが、アクセスシェアでは依然として50%以上を占める。ただし、そのシェアは緩やかに下方していることが分かる。
auは2007年6月に最大シェア34.2%をマーク。最も低いのは2008年3月の31.5%だ。今回の対象期間内においては、シェアの下げ幅が3キャリアの中で最も大きいという結果になった。
SoftBank は2007年の10〜11月を除き、右肩上がりにシェアを伸ばしている。契約者数の伸びに伴い、アクセスシェアも拡大してきている。
2006年10月にスタートした番号ポータビリティ制度(MNP)は、自由にキャリアを変更できるというよりも、契約期間による「縛り」をもたらした。新たな端末の販売方法である割賦販売方式は、端末の初期購入費を減少させたものの、24カ月契約という約束手形と引き換えのため、途中で解約すると違約金が発生する。これはユーザーにとって機種変更を思いとどまらせるネガティブな要素となっている。
利用している端末の新モデルが発売されたら即買い換える、というユーザーは確実に減ってきており、「とりあえず」2年使い続けるユーザーが大多数になっていくのではないか。また、既に数年間の利用経験があるユーザーは、自分に必要な機能を学んでおり、必ずしも新機能やハイエンド端末に飛びつくわけではない。好きなデザインや気に入った機能を重視し、1つの端末を長く愛用するユーザーも増えていきそうだ。
企業の携帯電話向け販促を考えるときにも、誰に届けたいのか、しっかりと見定めることが大切だ。メッセージを届けたいユーザーの端末に対応していないサービスでは意味がない。ターゲットはどのような機能をよく利用するユーザーなのか。それによって、新しい機能を利用したコンテンツなのか、メールなのかなど、最適な方法でユーザーに届ける方法を見極めることに、成功の糸口があるのではないだろうか。
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