PC出荷台数は、このところテクノロジセクターで最も順調に回復傾向を示している分野である。
IDCが米国時間12月17日に発表した「Worldwide Quarterly PC Tracker」最新調査リポートによれば、世界のPC出荷台数は2009年第3四半期(7-9月期)に前年同期比2.3%増となり、3四半期連続で落ち込みを見せた後に初めての伸びを示したという。
新学年が始まることを受けた需要の急増が、全体の出荷台数を押し上げたとされている。ノートPCの出荷台数は前年同期比で33.5%増を記録したのに対して、デスクトップPCの出荷台数は依然として下降気味であり、コンシューマーのモバイルコンピュータへの移行が続いていることが明らかになっている。
第3四半期にはビジネス向けのPC出荷台数の落ち込みも緩和され始めており、IDCは、今後の数四半期でIT支出は徐々に回復を見せ、2010年第2四半期(4-6月期)には堅調な伸びも期待できるとしている。
最新の調査結果を受けて、2009年の世界のPC出荷台数は前年比1.3%増に転じると予測されており、2010年には前年比10.3%増まで伸びることになるという。2008年中の総出荷台数が2億8760万台だったのに対して、2009年には2億9140万台を記録し、2010年には3億2140万台まで増加すると見られている。
今回の出荷台数の増加の大半は、いまや全市場の半数を占めるに至ったエマージング市場における販売によるところである。2010年にはノートPCの出荷台数も18.1%増にまで伸びると予測されているが、デスクトップPCは現状を維持することになりそうだ。ネットブックの出荷台数も伸びるものの、新しい超薄型ノートPCが人気を博すようになるため、ネットブックの増加ペースは失速すると見られている。IDCは、今後の全体的な予測データとして、2013年までは2桁の増加率が続くことになり、2013年の世界のPC出荷台数は4億4440万台に到達するとしている。
IDCのPC Tracker担当ディレクターのLoren Loverde氏は「再びPC市場は回復力を示している。市場の安定化と主要なセグメントでの増加速度は、現代におけるパーソナルコンピューティングの果たす重要な役割を反映したものとなっている。テクノロジの進化と販売価格の低下は、非常に魅力的な組み合わせを続けている。企業のIT支出が2010年に回復するにつれて、今後数年間は堅調な成長が期待できるだろう」と語った。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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