ディスクストレージ市場も、このたびの景気後退の影響を被っている。調査会社IDCの報告によると、2009年第1四半期のストレージベンダー企業の世界での売り上げは、前年同期の68億ドルから18.2%減り、56億ドルになったという。
これらベンダー企業には、ディスクストレージシステムを企業顧客に販売するIBM、Hewlett-Packard(HP)、Dellなどが含まる。IDCは今回の減少の理由として、世界的なサーバ販売の低迷を挙げている。
上位5位のベンダー企業のうち、HPが最も大きな打撃を受け、第1四半期の売り上げは、前年同期の13億ドルと比べて25.8%減の9億7500万ドルとなった。IBMのディスクストレージの売り上げは8億1100万ドルとなり、前年同期の10億ドルから21.7%落ち込んでいる。IBMの次につけたDellは前年同期の7億9700万ドルより17.2%少ない6億6000万ドルを売り上げた。
IDCによれば、今回の報告は悪いニュースばかりではない。全世界の企業に利用されている総ディスク容量が、前年同期比14.8%増の2146ペタバイトに達したという。
IDCの企業ストレージ部門のリサーチマネージャーであるSteve Scully氏は「ディスクストレージシステムベンダーの売り上げは第1四半期、世界の景気低迷の影響を大きく受けた」と声明で述べた。「しかしながら、総売り上げが前年同期比で減少する一方で、出荷された総ストレージ容量は増加を続けている。この対照的な結果が生じる背景には、通貨の影響、世界的に落ち込んだ販売、プロダクトミックスの移行、そして積極的な価格攻勢などの複合的な要因がある」(Scully氏)
同報告によると、経済が低迷しているにもかかわらず、企業は依然としてディスクストレージを必要としているものの、低および中価格帯のシステムが選ばれる傾向にあるという。
「エントリーレベルの価格帯(1万4990ドル以下)の市場は前年同期比9.9%成長し、また中価格帯(1万5000ドル〜4万9990ドル)の市場は前年同期比で横ばいであった」とIDCのリサーチアナリストを務めるLiz Conner氏は声明で述べ、「これは、依然としてストレージ製品の需要があるというIDCの意見を裏付けるものである。顧客は支出トレンドとしてより細かい、価格のオプションを求めるようになっている」と続けた。
ディスクストレージ市場では、EMCとNetAppがData Domainの買収をめぐって争っている。データ重複排除技術の最大手サプライヤーであるData Domainは、世界的な景気低迷にもかかわらずこの業界の中では数少ない好調な企業の1つである。
同報告は、四半期ごとに世界ディスクストレージ市場を分析するIDCの「Worldwide Quarterly Disk Storage Systems Tracker」としてまとめられた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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