UPDATE IDCが米国時間10月29日に発表した報告書によれば、世界の携帯電話業界は、2009年第3四半期の総出荷台数が2億8710万台に達したことで、わずかに増加を達成したという。この数字は、前年同期比で6%減少したとはいえ、2009年第2四半期に比べると5.6%の増加となった。
IDCの「Worldwide Mobile Phone Tracker(世界の携帯電話市場動向)」によれば、2009年第3四半期の数値から、携帯電話ビジネスは景気後退以来、初めて回復の兆候を示している可能性が高いという。携帯電話業界は第3四半期に旧型端末の値下げを推進し、これが需要増と出荷拡大につながった、とIDCは述べた。
Strategy Analyticsが実施し10月30日に発表した別の報告書では、携帯電話の出荷について同様の調査結果と予測を示した。「Q3 2009 Global Handset Market Share Update(2009年第3四半期の世界携帯電話市場シェアの最新版)」と題したこの報告書では、第3四半期における携帯電話の出荷台数を2億9100万台としており、IDCの数字よりわずかに高くなっている。
前四半期に比べて減少幅が緩やかだったことから、Strategy Analyticsは、景気後退が徐々に収まるなか、2009年第4四半期には携帯電話業界の成長がプラスに転じると見込んでいる。
Strategy AnalyticsのディレクターであるNeil Mawston氏は、声明の中で次のように述べた。「われわれは、2009年第4四半期に世界で3億台の携帯電話が出荷されると予測しており、2008年第4四半期の2億9400万台から3%の増加となる。われわれは、2008年第3四半期以来、次の4半期に初めて業界がプラス成長に転じ、4四半期続いた減少傾向を経て、携帯電話不況の終わりを示すものと考えている。消費者や携帯電話メーカーは、徐々に少しずつ自信を取り戻している」
北米をみると、米国は、スマートフォンとプリペイド式携帯電話が成長を牽引したことで、第3四半期の堅調な結果を享受した。だがカナダ市場は、不況と従来型の携帯電話への需要不振により、3四半期連続で減少傾向を示した。
中南米における第3四半期の回復も輝かしいものではなく、消費者需要の減退と携帯電話への補助金削減により打撃を受けた。アジア太平洋地域でも携帯電話業界は低迷しており、中国、インド、およびインドネシアではわずかな減少傾向を示したが、スマートフォンの需要は引き続き高い水準にある。
最も明るい結果が出たのは西欧で、2009年第3四半期における従来型携帯電話とスマートフォンの売り上げは、2008年第2四半期と第3四半期の両方を上回った。
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