被験者Dは、セール会場トップにあった毛布に興味を持ちました。ところが、実際の商品詳細ページに入ると、購入する前に何度かバックボタンを使ってセール会場トップへ戻り、「セール会場トップ」と「商品詳細ページ」を行き来する様子が見られました。
「他の商品と迷っていたのか?」とDさんに確認したところ、「セール商品なのか分からなくなったので」という答えが返ってきました。
最初のページでは元値とセール価格が表示されていたのに、商品詳細に行くと値引き後の価格しかなかったため、「セール商品ではないのかもしれない」と困惑してしまったようです。
セール価格表示については、ほかにも、「価格の見せ方が、(商品に付いている)値札と同じというデザインは好きだけれど、値引いたことが分からない。本物の値札では分かるようになってるのに…」「元値がないのでお得感が伝わらない」などの発言が聞かれました。「セール」でユーザーを引き付けていながらも、「割安感」が十分に伝わらなかったために、ユーザーを困惑させ、購買へのモチベーションを低下させてしまったようです。
割安感という意味では、「いくら買うと送料無料になるのかが分かりづらい」という発言をした被験者もいました。
最初の商品を決めるまではどの被験者もそれほど時間はかかりません。ただ、いつもより単価が低い分、複数商品を購入して欲しいというのがサイト運営者側の狙い。
カートに商品を入れたあと、「セール会場へ戻れる強い導線を設計しておく」のはもちろんのこと、「カート内にレコメンド商品を表示する」というのは、買い物途中にユーザー行動を遮ることがないため、良い手といえます。また、商品購入後、「あえてカートページには遷移させない」というフロー設計も、ユーザーの購入へのモチベーションを下げない1つの工夫といえます。
セール商品は元値と比較できて、初めてその割安感を強くアピールすることができます。また、元値との比較ができないと「セール商品ではない」と勘違いされてしまうことにもなりかねません。
元値の表示はもとより、●●%オフという表示があると、ユーザーには分かりやすい表現となります。カート追加時に「あと●●円で送料無料です」と表示させることで、クロスセルを誘導できます。
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