これまで色々なトンデモすぎるケータイを紹介してきた本連載、そろそろ“アレ”を紹介しなくてはならないだろう。デジカメやらオモチャやらキャラクターやら、とさまざまなスタイルをしたトンデモケータイが中国では売っているが、例えばデジカメ型なんてのは実は意外と実用性があるものなのだ。カメラスペックはさておき、デジカメのように使えて時にはケータイにもなる、なんて便利な製品をサクッと作っちゃうのが中国のすごいところでもある。
そんな、ちょっと変だけど実用性もある製品として中国でブームになりつつあるケータイがある。これまた大手メーカーはなかなか製品化していない商品なのだ。ってことはまたどーしようもないウケ狙いの製品じゃないの?と思われるだろうが、いやいや実はこれは逆にSFの世界では古くから使われている、人類にとっては夢の製品なのだ。そう、それは「腕時計ケータイ」。腕にはめてそのまま通話できちゃうケータイ、これが不思議なことに世の中にはほとんど存在していない。ところが中国へ行くとその腕時計ケータイが山のように売られちゃっているのだよ。
中国の腕時計ケータイの歴史は古い。日本にも昔、腕時計型のPHSが販売されていたことがあったが、中国でも同じころすでに腕時計型ケータイが登場していた。2003年ころに登場したCECのF88はおそらく世界初の腕時計ケータイだろう。発売時の価格はなんと8888元、10万円以上もしたのだ!蛇足だが中国人は「8」が好きで、この手の製品の価格は888やら8888など、8並びの値段をつけることが多い。そしてもちろん筆者もこのF88を購入したが(笑)、腕時計ケータイを使うと通話中の声が回りに聞こえてしまうのが難点だった。そこでこのF88には指輪型の有線ヘッドセットや、赤外線を使う無線ヘッドセットなどが付属しており会話が外に漏れないようになっていた。てかこれってかなり怪しいアクセサリでもあるなぁー。F88って実は「古(いにしえ)のトンデモケータイ」だったのね。やっぱり腕時計ケータイなんてのはまともな製品じゃないんだろうか?
でもSamsungやLGが近年発売した腕時計ケータイはかなりカッコイイぞ!特にLGのGD910なんて3G対応、皮ベルト採用で見た目も本物の腕時計っぽい。残念ながら限定販売だったため今では入手困難だが、香港で登場したときのお値段はやっぱり8888香港ドル。歴史は繰り返すというか、8という数字には中華民族の憧れがつまっているのである!
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