米国メジャースタジオがついにインターネットでの新作映画のダウンロード販売を開始する。これまで、インターネットでの配信に本腰を入れてきたとはとても言えない立場を貫いてきたハリウッドメジャーがなぜ今となって方向転換をしたのだろうか?
日本未公開映画を自宅で?
3月31日。14年前に封切られて、米国だけではなく日本でも話題になったシャロン・ストーンとマイケル・ダグラス主演の「氷の微笑」の続編「Basic Instinct 2」が全米で封切られた。前作に引き続きシャロン・ストーン主演の全世界一斉封切り映画ということで、様々なメディアで取り上げられてはいるものの、日本では「公開予定なし」という。
Basic Instinct 2は日本の男性誌などでは「2006年、見たい映画ランキング」の上位に入っているが、ハリウッドで聞いた話だと、春休み恒例の「まんが祭り」と相変わらずの韓流ブームに押されて上映館を押さえることができなかったのだそうだ。残念。
しかし、もしかしたら「Basic Instinct 2」を自宅のPCで鑑賞することができるようになるかもしれない (記事:「米映画会社7社、映画のダウンロードサービスを開始へ」) 。というのも、Basic Instinct 2を配給しているMGM/Sony Picturesを含めたメジャースタジオ(米国ハリウッドに拠点を持つ大手映画配給会社)7社のうち6社までが、今週から新作映画をインターネット経由のダウンロード販売を開始すると発表したからだ。
表:メジャースタジオの新作映画ダウンロード販売状況
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米国で上記メジャースタジオのうち5社(Warner Bros、Universal Pic、Sony Pictures、Paramount Pictures、そしてMGM。ただし、MGMをソニー系とすると4社)が出資して設立されたMovieLinkと、独立系スタジオのLionsGateとSonyが出資するCinemaNowの2つのサイトが新作映画のDVDリリースと同時にダウンロード販売を開始する。しかし、もちろん米国国内に限定されたサービスになる予定だ。
今回サービスを開始するMovieLinkは、2002年後半からメジャースタジオが保有する過去作品を24時間レンタルという形態でオンライン配信してきた。料金は2.99ドルからで、ほぼ500Mバイトのファイルをダウンロードし、1回の購入で24時間は視聴可能。30日間はハードディスクの中に残って、再度見たい場合は追加料金を払うという仕組みだった。
が、今回は、新作で20〜30ドル、旧作は10〜20ドルで販売され、DVDプレイヤーでは再生できないものの、DVDに焼いて無期限に保存したり、ほかの2つまでの機器にコピーすることが可能になっているという。もっとも、現在のDVDの市場価格と比べれると、高い感は免れないのだが・・・。
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