科学者たちは、固体と液体の間で自由に形を変えられる小さなロボットシステムを開発し、古典的なSFの発想を現実のものとした。
約30年前の1991年に公開された映画「ターミネーター2」以来、液体金属で作られた殺人ロボットの悪夢を見るようになった人もいるかもしれない。この映画に登場する「T-1000」は自由に形を変えられるロボットで、体の一部を思いのままに武器に変えながら、あらゆる障害を乗り越えられるように見えた。
以来、「ターミネーター」シリーズに登場するコンピューターシステム「スカイネット」がもたらす恐怖やロボットによる終末論が人々の不安をかき立ててきたが、このほど国際的な研究チームが、ついに現実世界のT-1000を実現させた。ただし、その目的はもっと利他的なものだ。
研究チームがヒントにしたのは壮大なハリウッド映画ではなく、体を柔らかくも硬くも変えられるナマコだという。
香港中文大学の工学者で、研究を主導したChengfeng Pan氏は、「ロボットに液体と固体の間で状態を切り替えられる能力を持たせることで、機能を高められる」と述べている。
研究チームは、開発した小型ロボットの1つを独房を模した箱に入れ、どのように脱出するかを示すことでこの機能向上を紹介するデモ動画を公開している。
このデモ動画は学術誌「Matter」に米国時間1月25日付で掲載された研究の一環として作成された。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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