10位のCureAppなど3社が新規ランクイン--2022年8月の資金調達・時価総額ランキング

　フォースタートアップスは9月16日、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」において、2022年1月から8月31日までを対象とした「国内スタートアップ資金調達金額ランキング」を発表した。

　それによると、新規ランクイン企業は、CureApp、スプレッド、アンドパッドの3社だった。

　10位に新規ランクインしたCureAppは、医療機関向けの病気治療アプリ「CureApp SC」などを提供するスタートアップ。8月にカーライルとの間に戦略的提携を締結した。シリーズGラウンドで総額70億円の資金調達を実施し、累計資金調達額は約134億円となっている。

　今後は、カーライルのグローバルなヘルスケア分野における実績、知見を活用し、日本と海外での販売、流通ネットワークの拡充と、マーケティング、製品開発プラットフォームを強化するという。なお、投資実行後にカーライルから取締役1人が派遣されている。

　13位には、クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を提供するアンドパッドがランクインした。同社が7月、合計20億4400万円の資金を調達したことを登記簿から確認している。

　14位には、サステナブル野菜ブランド「ベジタス」を提供するスプレッドがランクイン。シリーズAラウンドで8月、事業会社やエンジェル投資家からの第三者割当増資により、総額40億円の資金調達を実施した。

　今回の資金調達を通して、新技術の開発投資、商品の販路拡大、新規事業の研究開発、海外事業開発への投資を行っていく。

　このほか、太陽光発電システムの第三者所有サービス「シェアでんき」を提供するシェアリングエネルギーは8月、シリーズBラウンドファイナルクローズにおいて全国地銀系VCを中心として複数の金融機関と資本提携を締結。3億6000万円を調達した。

　また、パワーエックスが6月に5億2000万円の資金調達を実施したことが、登記簿から分かっている。同社は8月、調達総額約50億7000万円でシリーズAラウンドが完了したことを発表している。

　トップ20にランクインしている企業のうち、累計資金調達金額が100億円を超えている企業は、アルム、LegalForce、ティアフォー、Spiber、ソフトバンクロボティクスグループ、クリーンエナジーコネクト、Synspective、テラドローン、AIメディカルサービス、Rapyuta Robotics、CureApp、UPSIDER、アンドパッド、Kyash、AnyMind Grouの15社となった。7月と比べ、CureAppとアンドパッドの2社が増えている。

　9月5日時点で、2022年8月における資金調達金額の中央値は1億9490万円。平均値は5億4104万円で、資金調達合計金額は508億5865万円となっている（一部融資や社債での資金調達を含む）。

アストロスケールホールディングスが10位に--ドル高が影響

　同社では、9月1日時点の「国内スタートアップ評価額ランキング（2022年9月）」も発表している。同ランキングは、登記簿情報に記載されている発行済みの顕在株、潜在株をもとに算出。また、子会社やINCJ主導で設立した企業は除外されている。

　7月と比べて上位20社の顔ぶれに変化はなかったものの、アストロスケールホールディングスとアンドパッドの2社の評価額が増加し、順位を上げている。

　アストロスケールホールディングスは、スペースデブリ（宇宙ごみ）除去サービスの開発に取り組むスタートアップ。今回の評価額は1161億円で、7月の987億円から174億円上昇し10位に浮上。

　以前からドル建てでの第三者割当増資を実施しており、株式発行のタイミングが8月のドル高進行と重なったことで、円建てでの1株あたりの評価額が上昇する結果となった。

　また、クラウド型建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD」を提供するアンドパッドは、7月21日と7月28日における合計20億円強の資金調達を登記簿から確認。評価額が7月の786億円から約20億円上昇している。

　累計資金調達金額が先月から変化した企業は、アストロスケールホールディングス、HIROTSUバイオサイエンス、アンドパッドの3社となっている。

　アストロスケールホールディングスは、6月末における新株予約権の行使を確認。登記簿情報をベースとして算出された資金調達金額は、約500万円増加する結果となっている。

　HIROTSUバイオサイエンスは7月末から8月にかけて、計2回の資金調達の実施を登記簿から確認。累計資金調達金額が約1億2000万円上昇しているという。