フォースタートアップスは7月13日、成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB」において、2022年1月1日から6月30日までを対象とした「国内スタートアップ資金調達金額ランキング」を発表した。
それによると、新規にランクインした企業は、1位のLegalForceをはじめ、SUPER STUDIO、アンドパッド、ルカ・サイエンスの計4社となった。
1位のLegalForceは、AI契約審査プラットフォーム「LegalForce」などを提供する企業。6月にシリーズDラウンドにおいて137億円の資金調達を実施。SoftBank Vision Fund 2をリード投資家とし、WiL、みずほキャピタル、三菱UFJキャピタル、ゴールドマン・サックス証券、Sequoia Chinaが参加した。
今回調達した資金は、採用、開発、営業の強化に投資する。累計資金調達金額は198億7000万円を超えた。
17位のSUPER STUDIOは、D2C顧客体験型ECプラットフォーム「ecforce」を提供している。「ecforce」は、主にD2Cブランドのビジネスに合わせたオンラインネットショップを簡単に開設できるECプラットフォームとして、受注や顧客の管理、マーケティング戦略の機能を通して、ショップの売り上げの最大化に貢献している。
6月には、31VENTURES、ALL STAR SAAS FUND、きらぼしキャピタル、ネットプロテクションズ、みずほキャピタル、三井住友海上キャピタル、三菱UFJイノベーション・パートナーズを引受先とする44億円の資金調達を実施した。同資金により、更なる顧客のEC運営サポートに向けて、各種開発を積極的に進める方針だという。
19位のアンドパッドは、特に民間の新築やリフォーム、商業建築などの施工現場で利用されているクラウド型建設プロジェクト管理アプリ「ANDPAD」などを提供するスタートアップ。
6月に、8億4088万4000円の調達を登記簿より確認。1月からの合計資金調達金額は、約38億9200万円に到達している。
なお、ANDPADは、国交省が運営するNETIS(新技術情報提供システム)にも登録されている。
20位にランクインしたルカ・サイエンスは、ミトコンドリア病および、その関連疾患に対し、革新的な治療法の開発を目指すスタートアップ。
6月には、38億6000万円のシリーズBの資金調達を実施。同調達は、DCIパートナーズ、英国4BIO Capitalおよび、既存投資家であるファストトラックイニシアティブが共同リードとして主導し、既存投資家であるRemiges Ventures、日本ベンチャーキャピタル、新規投資家であるニッセイキャピタル、旭化成ファーマ、QBキャピタル、NCBベンチャーキャピタル、SMBCベンチャーキャピタルが国際シンジケートとして参画している。
トップ20にランクインしている企業のうち、累計資金調達金額が100億円を超えている企業は、LegalForce、Spiber、ソフトバンクロボティクスグループ、テラドローン、AIメディカルサービス、Synspective、Rapyuta Robotics、UPSIDER、Kyash、アンドパッドの10社となった。
LegalForce、AIメディカルサービス、Synspective、UPSIDERの4社は、設立5年未満にもかかわらず、累計資金調達金額が100億円を超えている。
7月7日時点での6月における資金調達金額の中央値は約2億円。平均値は約6億2141万円、資金調達金額合計金額は約577億9178万円となっている(一部融資や社債での資金調達を含む)。
同社では、7月7日時点での「国内スタートアップ評価額ランキング」も発表している。同ランキングは、登記簿情報に記載されている発行済みの顕在株、潜在株をもとに算出。また、子会社やINCJ主導で設立した企業、上場、上場予定企業は除外されている。
6月の国内スタートアップ評価額ランキングでは、「国内スタートアップ資金調達金額ランキング」で19位だったアンドパッドが、14位に新規ランクインしている。
同社の最新の登記簿より、およそ38億9200万円の調達を確認。最新の評価額は786億円となっている。
アンドパッドが提供する施工管理アプリANDPADは、建築業界のDX化をワンプラットフォームで実現するサービスとして、利用者数は33万人(5月時点)を超えているという。
2月には、国土交通省が主催する「令和3年度 i-Construction大賞」の「i-Construction推進コンソーシアム会員の取組部門」において、国土交通大臣賞を受賞。SaaS関連企業および、DX関連企業に対する豊富な投資経験を持つ国際投資家の知見を活用することで、今後はプラットフォーム戦略の加速を目指す。
ランキング13位以上には変化はみられず、先月と同様の結果となった。
累計資金調達額で6月から大きな変化があったのは、新規ランクインを果たしたアンドパッドのみ。累計資金調達金額は、122億5000万円に達しており、登記簿から今年に入って約38億9200万円の調達を確認している。
ランクイン企業のうち、累計資金調達金額が100億円以上の企業は13社。トップは1205億円のSpiberで、Mobility Technologiesの470億円、スマートニュースの442億円と続いている。
また、評価額が1000億円を超える11社の中では、半数以上の6社が100億円以上を調達していることが判明した。
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