タレントのKim Kardashianさんと元プロボクサーのFloyd Mayweather Jrさん、元バスケットボール選手のPaul Pierceさんは2021年5月、「EthereumMax」と呼ばれる仮想通貨の広告塔になった。今回、この仮想通貨に投資した人々が、この3人とEthereumMaxの作成者を提訴した。資産の価格を変動させる目的で虚偽の情報などを流す、いわゆるパンプアンドダンプ詐欺の被害に遭ったという。
Finboldの米国時間1月10日の報道によると、2021年5月14日~6月27日にEthereumMaxを購入した投資家たちは、集団訴訟の訴状を2022年1月7日に提出し、その中で、詐欺の被害に遭ったと主張しているという。訴状には、EthereumMaxの作成者とともに、EthereumMaxを宣伝したKardashianさんとPierceさん、Mayweatherさんの名前が記載されている。
KardashianさんとPierceさんは自身のソーシャルメディアアカウントでEthereumMaxを宣伝した。2021年6月6日のMayweatherさんとLogan Paulさんのボクシング試合では、チケットの購入にEthereumMaxが使用された。カリフォルニア州の連邦地方裁判所に提起された今回の訴訟の原告は、前述の著名人が報酬を受け取ってこれを宣伝したと主張しており、EthereumMaxに関するKardashianさんの投稿を見たソーシャルメディアフォロワーの19%がこれを購入したことを示すMorning Consultの9月の調査に言及している。
CoinMarketCapによると、EthereumMaxは2021年5月16日に取引が開始され、その時点の価格は0.00000006ドルだったが、その後、5月29日に1000%以上急騰したという。EthereumMaxの価格は、その翌週に下落した後、6月を通して急落し続け、最初の取引時の価格を下回る水準まで下がった。
仮想通貨のパンプアンドダンプ詐欺は、仮想通貨の作成が容易になったことや、著名人の影響力が高まったこと、仮想通貨への投資によって短期間で大きな富を得たいと考える人が増えたことなどをきっかけに、2021年に広まった。EthereumMaxのような仮想通貨に価値はほとんどないが、これらの詐欺では、何千億ものコインが作成されるため、価格が上昇すると、数百万ドルが生み出されることがある。その状態をパンプと言う。その後、コインの作成者と広告塔が所有する何十億もの仮想通貨を売却すると、価格が急落し、投資家は価値のない資産を抱え込むことになる。こうした詐欺は株式などの証券では違法だが、現在のところ、仮想通貨のパンプアンドダンプを取り締まる法律はない。
訴訟を起こした投資家のグループは、申し立てられているパンプアンドダンプの結果として被った損害について、金銭的救済を求めている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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