TikTok、YouTube、「Snapchat」運営元のSnapの幹部が米国時間10月26日、米議会の公聴会に出席し、子どもの安全の重要性や、保護者の関与を強化する今後の取り組み、有害なコンテンツを撲滅すべく運用している高度な人工知能(AI)システムなどを論点に主張を展開した。
しかし、議員らは納得しなかった。
Richard Blumenthal上院議員(民主党、コネチカット州選出)は、4時間近くに及んだ公聴会の最後で各社に対し、「われわれがあなた方の話を鵜呑みにしているわけではないことを、この公聴会を見ている国民に知ってもらいたい」と述べた。
米上院商業委員会の消費者保護小委員会が開催したこの公聴会は、「Protecting Kids Online: Snapchat, TikTok, and YouTube」(オンラインの子どもたちを守る:Snapchat、TikTok、YouTube)と題され、ソーシャルメディア大手Facebookに対する追及が強まっている中で行われた。Facebookのプラットフォームが10代の若者の心の健康や民主主義および発展途上国に害を及ぼしている現状について、同社がこれを把握していることを示唆する社内文書がリークされ、この文書に基づく主要メディアの批判的な報道が相次いでいる。
Blumenthal氏は26日、こうした見方に同調して3社を批判し、いじめや自傷行為に関連するコンテンツに言及した。
「注目が集まれば利益も増える。あなた方のやっていることは、ユーザーを、特に子どもを増やして、より長くアプリにとどめておくことだけだ」(同氏)
同氏は、10代の若者らがTikTokやYouTube、Snapchatにログインしたときに入り込む「ウサギの巣穴」のような非日常について、保護者たちから話を聞いたことがあると述べた。また、同氏の事務所がTikTokとYouTubeにアカウントを作成して独自に調査したところ、これらのプラットフォームで極端なダイエットや摂食障害に関するコンテンツが簡単に見つかることが分かったとした。
「たばこ大手と同じで、ハイテク大手は自社の製品が有害になり得ることを認識していながら、10代の若者を誘い込んでいる」(同氏)
Snapchat、TikTok、YouTubeは自社をFacebookと区別しようと、各社サービスの仕組みの違いを強調した。しかし、議員らを納得させるには至らなかった。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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