「au」「UQ mobile」「povo(ポヴォ)」のブランドを展開するKDDIは9月13日、オンラインで新サービス発表会を開催した。5Gエリアの整備状況や関連サービス、新プランなどを発表した。
冒頭、KDDI代表取締役社長の高橋誠氏は、3ブランドで活用できる5Gサービスの近況を発表。2021年6月に発表したJR東日本の山手線とJR西日本の大阪環状線の全駅ホームでの5G通信ネットワーク構築の完了に加えて、各駅間のネットワーク構築も完了したという。また、JR東日本の中央線、総武線、京浜東北線といった4路線47駅のホームでも5Gサービスが活用できるとしている。
さらに、5Gエリア化を優先的に進める重点地域として定めている、全国の乗降者数上位の駅を中心とした商業地域80カ所での構築完了も発表。札幌駅、名古屋駅、博多駅などを中心とした半径500メートルの対応エリアで5Gサービスが活用できる状態で、今後も順次拡張させていくと語る。
なお、auが2020年3月から提供する5G基地局を活用したサービスは、UQ mobileでは9月2日から、povoでは9月14日から活用できるようになっている。
高速・低遅延の衛星ブロードバンドインターネットを提供する米SpaceXの「Starlink」を、au基地局のバックホール回線に利用する契約の締結も発表した。
光ファイバーに接続した通常のau基地局に加えてStarlinkをバックホール回線としたau基地局を導入し、エリアを補完するという。2022年を目処に全国約1200カ所から順次導入し、サービス提供が困難だった山間部や島しょ地域、災害対策などへの高速通信の提供を目指すとしている。
5G対応のコンテンツとしては、テレビアニメ「鬼滅の刃」とコラボしたコンテンツを9月23日から配信する。例えば、ARフィルターでは「Instagram」の背景やエフェクトを表示できる。各キャラクターが「呼吸の型」を繰り出すシーンを再現可能で、名場面シーンに自分が入り込んだかのような、没入感のある写真や動画を撮影できるという。
そのほか、XRコンテンツや話題の動画など、5G向けのエンターテインメントコンテンツを誰でも手軽に楽しめる「au 5Gチャンネル」アプリを、10月から無料で提供する。
発表会では、2022年春から大都市に向けて提供予定のプラットフォーム構想「VIRTUAL CITY」のコンセプトムービーも発表した。
例えば、実店舗の在庫情報と連動した上でのアバターでのバーチャルフィッティングや、リアルとバーチャルが融合した同時路上ライブなどが視野にあるという。KDDI サービス統括本部で副統括本部長を務める繁田光平氏は、リアルな街とバーチャルが溶け込む、「au版メタバース」と表現。5Gを活用して新たな都市体験を生み出せると語る。
その先駆けとなるのが、2020年に開始した渋谷区公認の配信プラットフォーム「バーチャル渋谷」で自治体や各企業とともに展開する、「渋谷5Gエンターテイメントプロジェクト」だ。
2021年は、2020年10月に40万人が参加したというハロウィーン向けイベントを「バーチャル渋谷 au 5G ハロウィーンフェス 2021 ~ FUN FOR GOOD ~」というタイトルに改題して順次開催していくという。
一例として、Pocket RDが提供する完全自動アバター生成システム「AVATARIUM(アバタリウム)」と連携する。スマートフォンアプリや「au Style SHIBUYA MODI」「GINZA 456 Created by KDDI」などの商業施設に設置した全身をスキャンするスキャナーを活用し、自分自身のオリジナルアバターを簡単に作成可能。特別な衣装を身にまとったアバターでバーチャルハロウィーンを楽しめるという。
そのほか、バーチャルステージでのスポーツ、音楽、お笑いなどの配信も予定。楽しみながらステイホームできる施策を準備していると説明した。
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