サッポロホールディングスは6月10日、自宅にある食材から作れるレシピや買い足す食材候補を提案し、料理を通じた家族コミュニケーションができる「うちレピ」(β版)のWebアプリにおいて、2つの実証実験を7月1日に開始すると発表した。
うちレピは、自宅にある食材を登録し、それらの食材を組合わせて作ることができるレシピや買い足す食材候補をAIが提案するWebアプリ。日々の献立や買い物を考える手間を減らし、さらに食材を使い切ることで食品ロスを削減できるのが特徴。
提案するレシピは、サッポログループのポッカサッポロフード&ビバレッジ、神州一味噌、ヤスマに加え、食関連の多くの企業が提供している。
同サービスは、ユーザーの料理に関連する行動体験のうち「在庫管理」「レシピ決め」にフォーカスしたサービス設計となっているが、「購入情報連携」「買足し提案連携」「冷蔵庫内在庫情報連携」「レシピデータ連携」といった各種連携を構築することで、「買い物」「調理」「保存」へのサービス拡張を図るとしている。
今回の実証実験は、料理に関連する一連の体験をシームレスにつないだ、フードテックサービスの構築を目的としており、(1)イトーヨーカ堂とイトーヨーカドーネットスーパーの連携に関する実証実験、(2)パナソニック社内カンパニーのアプライアンス社と冷蔵庫内食材残量管理サービス「ストックマネージャー」連携に関する実証実験という2つを予定する。
なお、イトーヨーカ堂との取り組みは「購入情報連携」、アプライアンス社との取り組みは「冷蔵庫内在庫情報連携」に関する実証実験となっている。
イトーヨーカ堂との実証実験では、イトーヨーカドーネットスーパーと連携し、2021年7月1日〜8月31日の期間において、イトーヨーカドーネットスーパー西日暮里店限定で実施する。
イトーヨーカドーネットスーパー西日暮里店で購入した食材情報を、画像などで「うちレピ」のアプリに登録することで、購入して届いた食材と自宅にある食材とを組合わせて作れるレシピの提案をうちレピから受け取れるようになる。
同実証実験により、生活者のネットスーパーでの買い物と食材の在庫管理、レシピ・献立の検討を結ぶ新サービスの可能性を検証する。
期待する効果が得られれば、対象店舗を広げてより多くの生活者へとサービスを提供。さらには、ネットスーパーだけでなくリアル店舗での拡張可能性を検討する。
将来的には、購入情報をユーザーの操作を介さずにダイレクトにうちレピへ連携し、購入食材で作れるレシピが自動提案される仕組みや、自宅にある食材情報からユーザーへおすすめの食材を提案・ネットスーパーで発注できる仕組みなど、生活者へさらなる利便性を提供できるよう、協業で革新的なDXの取組みを推進していくという。
アプライアンス社との実証実験では、重量検知プレートとスマートフォンの連携で食材管理をサポートするストックマネージャーと連携し、2021年7月1日〜8月31日の期間で行われる。
ユーザーは、予め設定した食材を重量検知プレート上で保管することで、その食材の残量情報を、ストックマネージャーを介してうちレピに自動反映できるようになる。また、その食材と他の自宅食材を合わせて作れるレシピの提案を受けることが可能。
同実証実験において、冷蔵庫内の自動取得される食材情報と、自宅にある食材で作れるレシピ・献立の検討を結びつける新サービスの可能性を検証する。
期待する効果が得られれば、食材の残量および、賞味期限に応じて提案するレシピ内容をアレンジする、残量が少なくなってきた際に自動で当該食材を発注するなどの、更なる価値提案ができるサービスの構築を図るという。
今後、複数の実証実験を展開することで、現在新型コロナウイルス感染拡大の影響からその機会が急増している家庭での「料理」において、未来のスマートライフ実現を目指すとしている。
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