「Windows 10X」が近いうちにリリースされることはなさそうだ。リリースされない可能性もあるという。Brad Sams氏による米国時間5月7日のPetri.comの記事によると、MicrosoftはWindows 10Xの開発を見送っているという。Windows 10Xは「Windows 10」の軽量版で、「Chrome OS」に対抗する製品となり、まず教育関係者や現場の最前線で働く従業員向けのPCに搭載されるとみられていた。
それでもMicrosoftは2021年後半、ユーザーエクスペリエンス(UX)を刷新するとみられているWindows 10をリリースする際に、「Windows」の「新しい」バージョンに対応する可能性もあると期待されている。UIの刷新は「Sun Valley」というコード名で進められているという。さまざまなリーク情報に基づくと、Sun Valleyの一部のインターフェース要素が、Windows 10Xで予想されていたものと似ているとみられており、Microsoftは単純にWindowsを刷新することが、Chrome OSに対抗する最良の方法だとみているのかもしれない。
Microsoftは2020年、Windows 10Xについて公に語らなくなった。公式に話すことは控えていたが、約束していたWin32アプリのサポートをなくした形でWindows 10Xを2021年にリリースする計画だとみられていた。Win32アプリをサポートしなければ、多くの顧客にとって魅力が大きく低下するだろう。
Microsoftはこの数年間、Windows 10Xをどのように位置づけ、提供するかということについて見出せずにいたようだ。Windows 10Xは当初、「Surface Neo」などの2画面PC向けのWindowsバージョンとなるはずだった。その後同社は計画を変更し、まずシングルスクリーンデバイスに搭載し、Windows 10Xをリリースするとしていた。
Windows 10Xは、「Windows Core OS(WCOS)」をベースとするWindowsの最初のバージョンの1つになる可能性があった。Microsoftは、共通のWindows OSのコアとさまざまなUXを組み合わせるというコンセプトをリリースできる状態にする取り組みに苦戦しているとみられる。Windows 10Xの開発中断がWCOSでどのような意味合いを持つのか、興味深いところだと筆者は考えている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス