アップルは1月22日、いよいよ日本で心電図アプリケーションと不規則な心拍の通知機能に対応すると発表した。
近日公開予定と見られるiOS 14.4とwatchOS 7.3のリリース後、Apple Watch Series 4、5、6で機能が使えるようになる。Apple Watchが日本でも医療機器として承認・認証を取得したことからリリースが期待されてきた機能で、米国では2018年12月からスタートしている。
Apple Watch Series 4、5、6の裏蓋にあるクリスタルとDigital Crownに組み込まれている電極で、心電図アプリケーションと連係して第I誘導心電図に類似した心電図を記録できる。
心電図を記録するにはApple Watch Series 4、5、6で心電図アプリケーションを開いてDigital Crownに指をあてる。ユーザーがDigital Crownに触れると回路が機能し、心臓を通る電気信号が記録されるしくみだ。
30秒後、心拍リズムは心房細動、洞調律、低心拍数、高心拍数、判定不能のいずれかに分類。すべての記録、記録の分類、注意が必要な症状は、iPhoneのヘルスケアアプリケーションに安全に保存され、結果のPDFは医師と共有することで治療に役立てられる。
また、Apple Watch Series 3以降では、内蔵されている光学式心拍センサーを利用して、不規則な心拍の通知機能が受けられる。不規則な心拍の通知機能は、心房細動(AFib)の兆候がないかをバックグラウンドでユーザーの心拍リズムを時折チェックする。最低65分以上の時間をかけて5回の心拍リズムのチェックを行い、不規則な心拍リズムが検出されるとユーザーに通知する。
心電図アプリケーションと不規則な心拍の通知機能は、不整脈に最も多い心房細動(AFib)の兆候を検知するために役立つという。心房細動は、治療をせずに放置すると、世界で2番目に多い死因である脳卒中につながるおそれがあるとしている。
東京都医師会の尾﨑治夫会長は「ようやく日本でも心電図アプリケーションおよび不規則な心拍の通知機能が使えるようになることを大変嬉しく思う。今後日本で、Apple Watchのこれらの機能が心房細動を早期に発見し、医師との対話、そして治療に結び付けられるような役割を果たしていくことを期待している」とコメントしている。
なお、心電図の記録を心房細動(AFib)と洞調律に正確に分類する心電図アプリケーションの機能は、約600人が参加した臨床試験で検証したという。
検証では医師による標準基準の12誘導心電図のリズム分類と、心電図アプリケーションが同時に記録したリズム分類を比較。
この研究で、Apple Watchの心電図アプリケーションは、分類可能な記録のうち、心房細動の分類で98.3%の感度を、洞調律の分類で99.6%の特異度を示した。また、この研究では、心電図アプリケーションによる分類可能な記録は全体の87.8%だったという。
また、40万人を超える人々が参加したApple Heart Studyでは、不規則な心拍リズムの通知機能の研究が行われたという。心房細動に関する過去最大規模のスクリーニング検査であり、心臓血管に関する過去最大級の取り組みとしている。
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