ソニーは1月11日午後5時(米国東部時間)から、「CES 2021」においてプレスカンファレンスを行った。例年、米ラスベガスで開催されているCESだが、2021年は完全オンラインで開催。プレスカンファレンスもオンラインで実施された。
ソニーのプレスカンファレンスでは、ソニー 会長兼社長 CEOの吉田憲一朗氏、ソニー・ピクチャーズエンタテインメント EVP&CTOのビル・バグラー氏、ソニー・インタラクティブエンタテインメント 社長兼CEOのジム・ライアン氏、ソニーミュージックエンタテインメント グローバルデジタルビジネス USセールス担当社長のデニス・クッカー氏の4人が登場。東京、ロサンゼルス、ロンドン、ニューヨークの4つの拠点から、説明を行った。
最初に登場したソニー 会長兼社長 CEOの吉田憲一朗氏は、「ソニーのテクノロジーで、クリエイティビティに無限の可能性をもたらす」と語り、2020年11月に発売した「PlayStation 5」や、2020年のCES 2020で公開して注目を集めた「VISION-S」、2021年春の発売が注目を集めている「Airpeak」などを紹介した。
PlayStation 5では、専用コントローラーのデュアルセンスとの組み合わせによって、没入型のゲームが楽しめることを紹介。VISON-Sでは、「ソニーの高度なセンシング技術を活用し、リアルタイムで情報を処理しており、安全性の最適化のために公道でのテストドライブを開始している」と紹介。2020年12月から技術検証のための公道走行をオーストリアで開始し、VISION-Sの開発活動が、新たなステージに移行していることを強調した。
また、Airpeakは、フルサイズミラーレス一眼カメラ「α」を搭載した機体デザインを初披露。「冒険好きなクリエーターのためのAIとロボティクスデザインを融合させた新製品となる。ソニーのαを使用したダイナミックなリモート撮影を可能にし、映像クリエーターによる映像表現において、新境地を開拓することができる。空を、無限の創造的な遊び場に変えることができる」とした。
さらに、東京大学や宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同開発しているソニーのカメラを搭載した人工衛星についても触れ、「これによって、宇宙のリアルタイムの映像を撮影できる」と発言。「ソニーのテクノロジーで、クリエイティビティに無限の可能性をもたらすことができる。クリエイティブなエンターテインメント企業として進化し続けるソニーに期待してほしい」と述べた。
ロサンゼルスを拠点とするソニー・ピクチャーズエンタテインメント EVP兼CTOのビル・バグラー氏は、3D空間キャプチャによる「バーチャルプロダクション技術」や「BRAVIA XR」などについて説明した。
バグラー氏は、2018年に設立したソニーイノベーションスタジオにおいて、最先端の技術を活用した映像制作を行っていることを示しながら、そのひとつとして、実世界をそのまま撮像するボリュメトリックキャプチャを活用したバーチャルプロダクション技術を紹介した。3D空間キャプチャによるバーチャルプロダクション技術は、映画やテレビ制作用のセットやロケーションを、3Dの点群データとして取り込み、ソニーイノベーションスタジオのソフトウエアである「Atom View」で再現。バーチャル映像を制作するための背景映像には、ソニーの「Crystal LEDディスプレイ」を使用し、リアルタイムに映像を映し出すことができる。
「これはCGではなく、実際の写真をもとにした3D写真のようなものである。これまでに見たことのないような方法で現実世界を表現することができる。いまは、ソニーのクリスタルLED技術を使用しているが、次世代ではまったく新しいレベルに引き上げることができるだろう」とした。
また、スタジオの制作環境を、ミキシングエンジニアの自宅のなかに、リモートで再現することができる「360 Virtual Mixing Environment」についても説明。「これは、ソニーの研究開発エンジニアと、東京のスタジオのサウンドミキシングチームとの協業によって開発したものであり、ミキシングのサウンドを、自宅にいながら正確に聞くことができるようになる。『ゴーストバスターズ/アフターライフ』や『Venom』などの音響制作に、この技術を活用した」と述べた。
さらに、新たなBRAVIAとして、BRAVIA XRを発表。高いコントラストと鮮明な表現を実現する。人がモノを見るときの注視点を分析するとともに、画質要素を統合的に処理することで、より自然な、人の記憶に近い映像を映し出すことができる統合認知型高画音質プロセッサー「XR」を搭載していることを紹介。
その一方で、新たな映像サービスについても触れ、「IMAX ENHANCEDのタイトルを含む、ソニー・ピクチャーズのコンテンツへのアクセスが可能になる。また、BRAVIA COREによるサービスを通じて、これまでにない最高のストリーミング画質を体験できる。ソニーの4K HDブルーレイディスクと同じ、最大80Mbpsでストリーミングができる」とし、「素晴らしいコンテンツと、新しいテレビによって、類を見ない体験が家庭でできる」などと語った。
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