グーグル、中国における今後の方針を正式発表--検索事業は香港へ - (page 3)

文:Tom Krazit(CNET News) 翻訳校正:湯木進悟、湯本牧子、小林理子2010年03月23日 07時06分

 Googleは発表を掲載したブログ投稿の中で、「われわれは、中国政府が当社の決定を尊重するよう心より願っているが、同時にまた、同国政府が当社のサービスに対するアクセスをいつでも遮断できる可能性についても十分認識している」と述べた。

 今回の決定を受けて、中国におけるGoogleの従業員がどうなるかは明らかになっていない。Googleは、「今回の決定はすべて米国本社が指揮を執り遂行してきたもので、中国における当社従業員は誰一人として今回の件に責任を負う権限は持たず、また責任を負うべきでもないことを明確にしておきたい」と述べている。

 Googleが、今回の決定により一部の従業員を解雇せざるを得なくなる可能性はあるが、大多数はGoogle.com.hkにおける職務に異動することになるだろうと、Googleの中国事業に詳しい関係筋は述べた。この情報筋によれば、Googleは、同社の中国語製品開発のために中国本土にとどまることが重要だと考えており、香港に拠点を置くGoogle.com.hkで提供する言語オプションに中国簡体字を追加する予定だという。

 1997年の英国による中国への香港返還後、中国は香港に対して、北京の中央政府とは著しく異なることもしばしばある独自のルールを設定することを認めてきた。

 1984年の中英共同声明により、香港特別行政区が成立し、「人、言論、報道におけるものを含め、権利と自由」は、「法律によって保障」されることが定められた。

 中国はまた、「基本的人権」の尊重を規定する香港権利章典も変更することなく残した。以降、現地の報道記者らは、特に中国国務院(政府)への批判に関連して、ときに報道の自由に対する脅威を目にすることもあったが、中国に存在する厳格なインターネット検閲は香港では適用されないままになっている。

 国境なき記者団(RSF)が発表した報道の自由に関する2009年の調査では、175の国と地域のうち、香港はスペインとイタリアの間にあたる48位に入り、17位の日本は別としてアジアではきわめて寛容な地域とみなされた。Amnesty Internationalによる2007年の報告書では、香港返還前に懸念されていたような中国政府による弾圧は杞憂に終わったとはいえ、香港当局は「基本的人権および自由の保護を強化するための具体的段階を踏む」機会をとらえられずにいると述べられている。

 Human Rights Watchでビジネスと人権を専門とするArvind Ganesan氏は、米CNET Newsに送られてきた声明の中で、Googleの動きを「表現と情報の自由を支持する強力な一歩であり、インターネット検閲に固執する中国政府を告発するもの」と表現した。

 「検閲のない検索エンジンを提供するというGoogleの決定は、中国政府が同国国民への支配を検閲を利用して維持しようとしていることに、異を唱えるための重要な一歩だ」とGanesan氏は述べた。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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