Reporters Without Borders(国境なき記者団)によると、中国とイランは、インターネットにおける自由に制約を与える世界最大の「インターネットの敵」に含まれるという。しかし、オーストラリアや韓国のような民主主義的な国家においても、懸念が高まっている。
国民がオンラインで閲覧できるコンテンツを検閲し続け、それに抵抗する組織を押さえつけようとする国が存在する中、自由の制約を巡る戦いがインターネット上でますます頻繁になっている。検索結果のフィルタリングをめぐって繰り広げられているGoogleと中国の間の論争は、その1例にすぎない。
しかし、Reporters Without Bordersが米国時間3月15日にリリースした報告書(PDFファイル)によると、中国のような抑圧的な国家体制だけが、そのような動きの根源ではないという。世界中において報道の自由を求めて活動を展開する同団体は、インターネット上の自由を制約しようとするいくつかの国家を挙げている。
インターネットの敵のリストには、Reporters Without Bordersが呼ぶところの「インターネット上で表現の自由を最も侵害している国」として、サウジアラビア、ミャンマー、中国、北朝鮮、キューバ、エジプト、イラン、ウズベキスタン、シリア、チュニジア、トルクメニスタン、ベトナムが挙げられている。2010年のインターネットの敵は、2008年のリストに挙げられた国々とほぼ等しく、中国、イラン、キューバ、北朝鮮などは、このリストの常連である。しかし、Reporters Without Bordersは2010年、インターネットを検閲する国として、2009年の2倍の60カ国を挙げた。
これらのうちの数カ国は、世界の他の国々から孤立しており、そのためにインターネットのオープン性に対し、特に恐れを抱いている。またReporters Without Bordersによると、国内のインターネットの発展を制限したり、時には故意にインターネットを遮断したり遅延させたりする国もあるという。
リストに挙げられた国の中には、ウェブコンテンツを抑圧したり制限したりするだけでなく、ブロガーやインターネット活動家に対して嫌がらせをしたり逮捕したりする国もある。現在120人近くのブロガーやサイバー反体制派などが、オンラインで自分の意見を述べたことを理由に投獄されているとReporters Without Bordersは述べる。同団体によると、最も厳しいのは72人を投獄した中国で、ベトナム、イランがそれに続くという。
トルコとロシアも今後の動きが気になる国である。両国は現在、Reporters Without Bordersの「監視中」リストに挙げられている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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