MicroDisplay、格安リアプロテレビで成功を目指す - (page 2)

文:Erica Ogg(CNET News.com) 翻訳校正:向井朋子、大熊あつ子、福岡洋一2007年04月10日 10時06分

 MicroDisplayは、フラットパネルの値段がどんなに下がろうと、RPTVのほうが「どこまでも」安くできると考えているようだ。「われわれは、自分たちがどんな市場に参入しようとしているのか十分わかっている」と、MicroDisplayのマーケティング担当バイスプレジデントMarty Zanfino氏は言う。

 MicroDisplayが参入しようとしているのは完全に数字に依存する市場で、ブランド名も華やかなキャッチコピーも関係ない。MicroDisplayの販売先はそうした量販ブランドになるため、同社の目標はまったく控え目だ。Zanfino氏によると、同社はLCOS市場の1桁台後半のシェアを目指しているという。LCOS市場の2007年における売り上げは10億ドル程度と予測されている。

 「MicroDisplayがやり方をまちがえず、技術面で、本当に言ったとおりのことが実現できれば、55(インチ)以上の大画面市場で、わずかながら入り込める余地がある」と、DisplaySearchのテレビ市場調査担当バイスプレジデントを務めるEdward Taylor氏は話す。しかし同氏は、MicroDisplayの年商が1億ドルを超えることは決してないだろう、と付け加えた。

 クラブストアやディスカウントストアを通して低価格テレビを販売するこの戦略は、すでに一般的になっていると言えるだろう。VIZIOは2006年、製造コストを削減して特定の画面サイズに目標を絞るという同様の戦略を打ち出して、フラットパネル市場を驚かせた。

 しかし複数の理由から、MicroDisplayがVIZIOに倣って成功を収めるのは難しそうだ。第1に、VIZIOが販売しているのは、ますます人気の高まっているフラットパネルテレビだということ。第2に、RPTVはかさばるため、フラットパネルテレビと違って北米市場--特に米国--以外ではそれほど大量に売れないこと。つまり、LCDのようにインドや中国、南米などの新興市場をあてにできず、米国の消費者が購入しなくなったときに成長を助けてくれる市場がないということだ。

 しかし、LCOSテレビが1080p(垂直画素数1080でプログレッシブ表示)という、現在のテレビでは最高の解像度を完全に実現しているという事実は、MicroDisplayにもチャンスを提供するものだ、とTaylor氏は話す。したがって、LCOSテレビは2006年、マイクロディスプレイテレビ市場の売り上げの19%を占めたが、2007年はそのシェアを24%まで伸ばす可能性がある、とTaylor氏は分析する。

 MicroDisplayによると、鍵となるのは、ますます大画面化するテレビに対する消費者のニーズだという。そしてこれまでのところ、大画面で見たいとなったとき、RPTVは最もリーズナブルな選択肢だった。こうした要素を考慮に入れた上でMicroDisplayは、56インチ、62インチ、70インチという特定のサイズに絞って市場に参入しようとしている。

 また、MicroDisplayにとって非常に喜ばしい報告もある。DisplaySearchの調査によると、2006年の第3四半期に販売された55インチ以上の大画面テレビの90%以上がプロジェクション型で、残りがフラットパネル型だったという。プロジェクション型が選ばれた主な要因は、ほぼまちがいなく価格だろう。しかし現在のRPTVが、地元のスポーツバーで大きくて不恰好な姿をさらしていた5年前と比べて、大きく変わったことも1つの要因だ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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