ミログが会社を解散--ユーザー情報の取り扱いをどう考える?

2012年4月3日 14時02分

 Androidアプリを用いて端末の各種情報の収集解析を行い、データをコンサルティングや広告の最適化に向けて提供することを目指していたミログですが、同事業の開始から程なくしてソフトウェア開発キットのぜい弱性が指摘されたほか、ユーザーの許諾なしに情報を取得、送信していたことが分かり、ユーザーからの批判もあってサービスを終了。今回の会社の解散となりました。


 アプリやサービスでのユーザーの情報の取り扱いを巡る問題は、今回のミログだけではありません。欧州では、Facebookのデータ解析が法律に触れると話題になったほか、最近では写真共有サービスのPathがユーザーの許諾なしに連絡先を同社サーバにアップロードしていたとして、CEOが謝罪するに至りました。


 また今回の件を別の視点から見ると、ミログはその事業を評価され、約4億円を調達していたスタートアップでした。そんな会社が解散したということで、スタートアップ投資に何かしらの影響を与える可能性も考えられます。


 今回のミログの解散は、アプリやウェブサービスのあり方、スタートアップの企業のあり方を再考する契機になったのではないでしょうか。パネリストの皆さんはどのようにお考えですか?


  • 手嶋守
    手嶋守さん (株式会社手嶋屋 代表取締役)
    自分の知る範囲で、今回のミログの事業について振り返ってみます。

    まず背景として、AndroidアプリはiPhoneアプリに比べて、デバイスの深いレベルで情報収集することができます。端末に他にどんなアプリが入っているか?いつ使っているか?など。この特性を活かして、ミログは、これからアプリに参入しようとしている事業者や、広告代理店などにこれらのマーケティングデータを販売する。というモデルでした。しかも自分たち自らアプリを配布するのではなく、すでに提供中の事業者にデータ収集機能を搭載してもらい、その実績に応じて、アフィリエイトキャッシュバックを提供する、という巧妙なものでした。

    同じソーシャル業界の人間として、事業コンセプトには感心しました。さすがいいとこついてる!とイイネしました。

    しかしながら、実際にはアプリ提供者と情報利用企業の2段階がまえの体制のおかげで、ユーザーから情報収集をするという確認作業が疎かになり、今回の不祥事が生じたんだと思います。

    これは憶測ですが、情報収集率を上げるために、確認作業の不足をあえて黙認した可能性も有ります。悪意&過失有りということですね。
    でも、1度のトラブルに改心して確認さえしっかりしていれば、情報量がいくら減るにせよ根本的には悪いモデルでは無いと思います。

    不祥事から以降、ミログを取り巻く社内でどんなことがあったか、正確にはわかりませんが、このぐらいのトラブルはリカバリ不可能な物ではなかったと思います。

    今回のケースは、資本金4億の会社が不祥事一発で廃業に追い込まれたというよりは、
    VCがビビって、今のうちに残ったお金を回収したい、というのがスジだと思います。

    ミログ経営陣は、顧客ためにVCに対して、立てこもっちゃっても良かったんじゃないかな。
    もし自分が当事者だったら、泥船に乗っかって本気で潰れるまで、事業を続けたと思います。
    、、、結果がいいか悪いかは別にして。

    2012-04-03 20:45:52

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