ドコモが4月からSIMロック解除--で、何が変わるの?

2011年2月25日 17時30分

 NTTドコモが4月以降に発売するすべての端末にSIMロックの解除機能を導入すると発表しました。手数料を払えば、端末購入後すぐにもドコモショップでロック解除できるようにするそうです。

 日本では携帯電話の端末を特定の通信会社でしか使えないように制限(SIMロック)されています。一方、海外ではSIMカードを差し替えるだけで通信会社を問わず携帯電話の端末が使えるのが一般的。そこで総務省は2010年6月にガイドラインを発表し、通信事業者にSIMロックを解除するように協力を求めてきました。

 SIMロックの解除に対する通信事業者トップの意見は正反対です。ソフトバンク代表取締役社長の孫正義氏は、「さまざまな不具合が出てくる。解除した端末は単価が4万円ほど高くなる」と、NTTドコモ代表取締役社長の山田隆持氏は、「SIMロックを解除したからといって端末の料金が高くなることはない」と、それぞれ主張しています。

 4月以降、SIMロック解除が実行されるとキャリア、メーカー、消費者、そして携帯電話業界にどのような変化が起きるのでしょうか。


  • 松尾 康博
    松尾 康博さん (IT企業で研究開発と技術教育に従事)
    キャリアのビジネスモデルは疎いのですが、キャリア一括買取モデルに依存しきっていたメーカーは、本格的にグローバルの波に飲まれる気がしています。つまり、海外製の安価な(低品質という意味ではなく、スケールメリットで安くかつ高品質な)モデルに駆逐されることが自明であるという意味です。

    現状でさえ、ここ数年のパナソニックとNEC、東芝と富士通などメーカーの合併や、NOKIAの困窮などを見るに付け、メーカーはこれから携帯を納品物としてではなく、他製品と同じ扱いにしないとまずい気がしています。

    ユーザーとしては、好きな機種を好きなキャリアで使えることでメリットが出てきますし、今のプロバイダ各社が行っている、ゲーム機やPCとの抱き合わせ販売モデルのような売り方が今後主流になるのかなと。

    あと、ユーザーの目線は、機種の良し悪し・回線品質・エリア・月額コストしか観ていないと思うので、垂直統合的なコンテンツやメールアドレスのロックインは早々に切り上げるべきだと思います。プロバイダ提供メールアドレスがhotmail,Gmail等に駆逐されたように、FaceBookメッセージが普及してきたら、キャリア提供のメールアドレスも不要になる(友人との交換対象から外れる、という意味で)でしょうし。

    ともかく、ユーザに良い方向に働くのは間違いなく、既得権益を守ろうとするキャリアほどユーザが離れていってほしいと願います。
    2011-02-28 07:53:19

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