ソフトバンクのMVNO--有効利用か、責務放棄か?

2009年2月10日 05時00分

 ソフトバンクモバイルがイー・モバイルの回線を借り、仮想移動体通信事業者(MVNO)という形態で高速モバイルデータ通信サービスを提供すると発表しました。

 ところが、ソフトバンクモバイルは総務省から電波免許を受けている通信事業者であることから、自前で設備を構築せずに他社から電波を借り受ける行為は「周波数免許に伴う責務の放棄」であると社団法人テレコムサービス協会 MVNO協議会から抗議を受けました。

 これに対しソフトバンクモバイル代表取締役社長の孫正義氏は、ソフトバンクの2009年3月期第3四半期決算の発表会の場で、「電波は国民の共有資産であり、可能な限り有効利用するのが義務だ」と反論しています。

 通信事業者がMVNOとなることは、通信サービスの事業者を多様化し、競争を促進するというMVNOの趣旨に反するのか、それとも電波の有効利用という観点から認められるべきか、パネリストの皆さんの意見を聞かせてください。


  • 神田敏晶
    神田敏晶さん (ビデオジャーナリスト)
    ユーザー視点で考えた場合、どうしてもひとつの通信キャリアで、携帯、データ通信、インターネット、テレビなどが一緒になっていた方がサービスとしてはお得感があります。支払いがまとめられるというのもサービスのひとつです。

    通信キャリアが携帯端末を販売している以上、その呪縛は変えられません。そもそもの諸悪の根源はここからなのですが、さらに、端末の縛りとかの実質24か月ローンを組まされていることから動くに動けない状態です。

    つまり、iPhoneで契約すると、もれなくソフトバンクが付いてきます。PCのデータ通信がないので、イーモバイルで契約し、データ定額サービスの2年縛りとなり、1万円ならということでAsusのEeePC901がついてきました。

    さらにUQのWiMAXが夏まで無料ということで申し込み通信品質を検討し…
    ソフトバンクで安くなるのであればと…、イーモバイルなのに、ソフトバンクというように、「データ定額難民」モードの繰り返しとなりそうです。

    各社それぞれ、自由な競争のように見えるのですが、ユーザーの選択には常にメインの通信キャリアとの契約が気になります。

    MVNO業者は、ソフトバンクが自社で回線を確保していれば文句もでないのですが、通信キャリアが回線を借り物は「ちょっと待ってよ」という問題です。

    しかし、ユーザー側からの発想であれば、通信キャリアよりも、より良いいい条件でデータ通信サービスを提供してもらえるのであれば、MVNO事業者をわたり歩くのは、ヒトによっては苦痛ではありません。

    MVNO事業者ごとの特性や差別化がだせるサービスで破壊的イノベーターとして暴れることも十分可能かと思います。

    法的に問題があるのでは?というロビー活動よりも、移り気なユーザーを囲い込めるいいニオイをだしてもらい、本当の意味での公共電波の有効活用を目指してもらいたいと思います。










    2009-02-10 19:00:08

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