社団法人テレコムサービス協会 MVNO協議会は2月4日、ソフトバンクモバイルがイー・モバイルから回線を借り受けてモバイルデータ定額サービスに参入すると発表したことを受け、反対意見を表明した。総務省から電波免許を受けている通信事業者が、自前で設備を構築せず他社から借り受けるのは「周波数免許に伴う責務の放棄」(MVNO協議会) と激しく抗議している。
社団法人テレコムサービス協会は設備を持たない電気通信事業者を中心とした290会員から構成される業界団体。MVNO協議会はこのうち、日本通信など42社が参加している。なお、MVNO(仮想移動体通信事業者)とは、他社から通信回線を借り入れて通信サービスを提供する事業者を指す。
MVNO協議会は、周波数の割り当てを受けた通信事業者が他の事業者の通信網を利用することは、モバイル通信網の拡大につながらず、電波の公平な利用に反すると指摘。また、通信サービスの事業者を多様化し、競争を促進するというMVNOの理念にも反するとしている。
「周波数免許を付与されている事業者が他の通信事業者のモバイル通信網を利用したMVNOとなることは、そもそものMVNOの趣旨に反し、また、周波数免許に伴う責務の放棄につながることから、認められるべきではない」(MVNO協議会)
「そもそも、諸外国では、MNOによる周波数免許の取得はオークションによるものとされ、少なくとも兆円単位の初期投資が必要とされているが、日本では、周波数免許の取得にあたり、通信事業者にこのような負担は課されていない。日本の通信事業者は、国民共有の財産である周波数の使用権を電波利用料以外の対価を支払うことなく取得しているといえる。このような特典に伴う公共的な責務として、通信事業者は、可能な限り広範囲にわたり、多様なモバイル通信サービスの提供を可能とし、公平かつ能率的な電波利用を実現する設備を構築し、国民の利便に寄与する通信サービスを提供すべきだ」(MVNO協議会)
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