相互運用性を確保するという約束が本物であることをアピールするかのように、Microsoftは米国時間3月3日、次期Internet Explorer(IE)のウェブ標準技術への対応を強化すべく、計画を転換すると述べた。
Microsoftは、かねてより「Acid2」テストの合格基準を満たすとしてきたIE8について、登場当初より、標準準拠モードのレンダリングエンジンをデフォルトとする意向を明らかにした。
IEを担当するゼネラルマネージャーのDean Hachamovitch氏はブログへの投稿で「原則に則ることは重要と考える。IE8のデフォルト設定は、相互運用性確保の取り組みが行動を伴っていることの証左だ」と述べた。
MicrosoftはIE8で3種類のレンダリングモードを用意する予定。標準準拠モード、IE7との互換性をもつモード、それ以前のレンダリング動作に対応したモードである。デフォルトのモードが変更されたため、IE8でIE7用エンジンを使うようにしたい場合、サイトのコードにタグを追加する必要がある。
Microsoftは方針転換を決めた理由の1つに法的な問題があると述べた。法律顧問のBrad Smith氏は声明で次のように述べる。「ブラウザのデフォルトのレンダリングモードをどうすべきかについて、われわれは法的な拘束を受けない状況にあると認識している。だが、こうしたステップを踏み、法的あるいは規制上の潜在的な問題も回避したい」
2007年末、OperaがMicrosoftのIEをめぐる慣行について、欧州委員会に不服を申し立てた。また先週、欧州連合がMicrosoftに対し、独占禁止法違反問題の是正命令を遵守しなかったとして、記録的な制裁金を命じた。
MicrosoftはIE8の正式版をいつ公開するかを明らかにしていない。同ブラウザのベータ版は2008年前半に予定されている。また今週はラスベガスのMix 08カンファレンスでHachamovitch氏が基調講演を行うことから、ブラウザに関するより多くの情報が出てくるはずだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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