SOHOはもちろん中小企業での利用を見据えた本製品では、さまざまなネットワークプロトコルをサポートすることで、WindowsやMac、Linuxといったプラットフォーム間でファイルをシームレスに共有できる。その中でも、Windows ACL(Access Control List)に対応していることは、多くのユーザを抱える企業のシステム管理者にとって注目すべきだろう。
一般的にLinuxベースのNASといえば、各共有フォルダに対して「読み書きともに可」「読み取りのみ」「アクセスなし」といった大雑把なアクセス制限しかかけられない印象が強いが、Windows ACLに対応したSynologyのNASであれば、共有フォルダごとに13種類もの詳細なアクセス制限をかけることができ、さらにサブフォルダ以下にそれらを継承するか否かも細かく指定できる。
具体的に、企業内での設定例を挙げると、営業部門に属するユーザは閲覧のみで書き込みや削除は不可、サポート部門に属するユーザはそれらに加えてファイル/フォルダの作成と書き込みが可能で、さらに営業管理部門は削除も行えるといった具合に、権限を細かくコントロールできる。これらアクセス権限は、Windows上で表示した各共有フォルダのプロパティから直接編集できるなど、Windows上でローカルフォルダの設定を行うのと変わらない感覚で行えるので、各部門の責任者に、その部門のユーザのアクセス権限の割当を一任することも可能だ。
これらWindows ACLで設定したアクセス権限は、FTPやNFS、AFPなどのほかのプロトコルとも共有が可能なので、それぞれについて個別にアクセス権限の設定を行わなくても済む。また本製品自体をActive Directory環境に組み込んで運用できるのはもちろん、サードパーティ製のコピーツールを使えば、ACLの権限が施されたファイルとフォルダを既存のWindowsサーバーから本製品に移行させることもできるなど、Windowsサーバからの乗り換えにも適している。
以上のように、ハードウェアはもちろんソフトウェアの部分でも死角のない本製品は、ファイルサーバとしての用途を中心に、SOHOや中小企業で重要な役割を任せるにふさわしい信頼性の高い製品と言える。とくにWindows環境との親和性は高いことは特筆すべきで、容量やライセンスなどの関係から従来のWindowsサーバからの乗り換えを検討中だが、詳細な権限設定ができなくなっては困るという場合に、強力な候補となることは間違いないだろう。
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