ベルキン氏は「どこにコンテンツを入れるかは、コンテンツの影響分析にもとづくべきです」と語り、続けて自身が考案し、特許申請中という「コンテンツ・ヴェロシティー(コンテンツ誘引効果)」という指標を紹介した。コンテンツ・ヴェロシティーとは、あるページがユーザーに対し、その後アクセスする次以降のページにどのような影響を与えたかを分析する指標であり、単にページビューを判断するだけでなく、実際にユーザーがどのようにページを遷移していったかを細かく分析できるものである。
ベルキン氏はまた、「ページビュー・パーティシペーション(ページビュー貢献度)」により、特定のページが閲覧された後にどれだけの広告閲覧につながったかを分析することも重要だと述べる。 さらに、ビデオに投資している場合、ページビュー・パーティシペーションに加えてコンテンツ・ヴェロシティーも評価指標とすることで、どのビデオコンテンツが最もエンゲージメントを促したかを把握することができる。「多くのメディアは、編集、広告チームなどさまざまなセクションに分かれていますが、こうした手法でそれぞれ違うマトリックスを使って、それぞれのセクションにとってどのような方法が大切なのかを知ることが重要です」と強調した。
一方SiteCatalystは、アメリカでも非常に人気が高まっているというブログの投資効果についても測定を行う。総訪問回数をはじめ、どの記事が閲覧されたか、購読数、バリュー、訪問あたりの価値など、さまざまなタイプのコンテンツのKPIを見ることによって、ブログの最適化を図ることができる。ベルキン氏は「コンテンツは鮮度も重要。どのタイミングでコンテンツを公開するのがベストか。読者は必ずしも訪問するタイミングが同じとは限らない。過去に書いた記事でも購読率が高いこともある」と述べ、曜日別の分析などを行えるSiteCatalystの機能を説明した。ベルキン氏によると、「ブログは購読バリューがいちばん高い。全ページに対するブログのトラフィック割合がさほど多くない場合でも、購読には貢献しているということが実証されれば、ブログへの投資効果を正当化することができる」と、広告媒体としてのブログの高い効果を強調した。
そのほか、ベルキン氏からはオムニチュアが提供するオンラインメディア向けのWeb 2.0最適化ソリューションとして、「リッチインターネットアプリケーション(RIA)」や、ゲームコンテンツなどオリジナルなアプリケーションの投資効果を測定する事例や、ストリーミングビデオのトラッキングの事例なども紹介された。
会場の様子
ウェブ解析は導入すれば終わりではありません。解析で得た数値をどのようにしてビジネスに活かしていくか、組織としての運用ノウハウが試されます。KPIの設定といった重要課題から、ウェブ2.0、RIAへの対応など一歩進んだ可能性まで、オムニチュア株式会社のベストプラクティスコンサルタントである大山忍氏がウェブ解析の全貌を解き明かします。