別井:そんな中で、スマートフォンの大きな不満の1つとして「電池もち」というのがあります。S6/S6 edgeでワイヤレス充電のQiと急速充電に対応させたのも、そういうニーズからくるものなんじゃないかと思っているのですが。
山根氏:ですよね。今まで電池交換できたのを、電池交換できなくした。交換したいという人も多いかもしれないけども、ワイヤレス充電がなかなか普及しなかったとはいえ、今だからこそワイヤレス充電は必要になるのかなという気がしています。
急速充電は朝起きて、残量がない時に、とりあえず会社までもたせたいというような場面で便利です。モバイルバッテリーを持っている人もいるかもしれないけど、それも充電するのを忘れることがありますからね。
それとワイヤレス充電。みんなほぼ毎日充電しているんでしょうけれども、やっぱりケーブル接続とかは面倒ですよね。ワイヤレス充電パッドをサムスンも開発して普及させようとしていますけど、これは業界全体としてがんばってくれないと難しいところもあるかなという気がしないでもない。
省電力技術も進んでいくから電池もちは長くなっていくだろうけれど、もう電池交換する時代じゃなくて、電池はビルトインのままで、ぽんと置くだけで充電する方がスマートだよ、と。その方がお客さんが使いやすい、ということを考えているのかなという気がします。
別井:他にS6/S6 edgeの魅力って何かありますか?
山根:背面の心拍センサーを利用してシャッターも切れる点。なんだかんだ言って、サムスンは常日頃から新しい機能にチャレンジしているところがありますよね。単に心拍センサーを搭載してみるだけじゃなくて、プラスアルファを考えているというか。
他は、普通のスマートフォンでできるあらゆることが、もっと快適にできますよというくらいで、S6/S6 edgeじゃないとできない、というのは実はないんですよ。他の機種でもできるんだけど、S6/S6 edgeを使うともっと快適になる、そこじゃないですか。握ると分かるんですよね。そしてホームボタンを2度押すとさらに分かるんですよ。これが他の端末にないから比較のしようがない。
別井:おそらくいずれPCをほとんど使わない時代が来るでしょうし、サムスン自体もIoT時代のスマートフォンのあり方として、いまとはまったく違ったスマートフォンのかたちもあり得るようなビジョンを語っています。スマートフォンには今後どういうものが求められるんでしょうね。
山根氏:おそらく、機能や操作を意識せずに使えるようになってくる、というところじゃないかと。たとえばカメラを横にして相手に向けるとカメラが起動するとか、あるいはインカメラに目を合わせてニコっと笑うと写真が撮影できるとか、その先のユーザーがしたいことをスマートフォン側が理解するという。
そのためにセンサーがたくさん乗ったり、ユーザーの使い方のパターンをどんどん学習したりして、インテリジェントな端末になることが考えられるでしょうね。とにかく機能や操作を意識せずに使えるようになるのでは。
別井:たとえばカメラ機能についてはどうなるんでしょうね。
山根氏:少なくともカメラに関してはもう画素数じゃないですよね。画素数が高くて保存に時間がかかるようじゃ本末転倒ですし、おそらくアウトカメラとインカメラが同じものになるというか、インカメラだから画質が低いというのはなくて、むしろ逆にインカメラの方が高画質化していくんじゃないか、という気がしなくもないですね、現状のソーシャルの感覚から言えば。
デザインについては、デュアルエッジディスプレイの曲げは、もしかしたら裏側も曲がるかもしれない。これは大画面化とスリム化を両立させるための1つの解答だと思うので、もしかすると曲がったエッジ形状は今後他のメーカーもやり出すかもしれないなと。
別井:ディスプレイサイズは今はだいたい5インチか6インチですが、まだ大きくなるんでしょうか。
山根氏:もう厳しいところですよね。これで限界ですよね。ただ、4インチの時代でも大きく感じていました。これからはディスプレイ内のマルチ画面化。1画面内で複数のアプリを動かしたり、動画を見ながらSNSを使ったり。通話もヘッドセットは流行らないにしても、ハンズフリーはあるかもしれません。スマートフォンで使うアプリやサービスの質が変われば、大画面でも許容する時代になるのかなあという気がしますよね。
サムスンでいえばGalaxy Noteシリーズはかなり売れていますし、各社6インチ台のファブレットを出していて、それなりに買っている人がいて、ただ、すべての人が大画面を必要とするわけではないので、2、3種類のサイズは常に用意されるでしょう。
これから本当の意味での4Gになって、完全に有線と同じような高速常時接続になってくる。5Gになると常につながって、常にリアルタイムに情報が入ってくる。ディスプレイが3Dになるかどうかは別として、アイコンが動いたり、顔や表情が動くようになってくると、今の画面サイズでは狭いという風潮になってくるかもしれないですよね。
だからそこで6インチとか7インチになった時に、ようやくスマートウォッチというものが必要になってくるのかなって。現状のスマートウォッチは、まだスマートフォンのサブディスプレイなんですよ。スマートフォンがどんどん大きくなってくると、スマートウォッチはサブというよりミニディスプレイになる。主と従じゃなくて、スマートフォンが大きくて取り出しにくい時はウォッチで見るとか。そういう時代が来るのはまだ2年くらい先かな。
数年前はアプリが一世風靡していたのが、今はソーシャル全盛。ソーシャルも今はタイムラインで、これもいずれVineみたいなビデオの流れるコンテンツになってくると、求める画面サイズも変わってくるでしょう。大きな画面が出てくれば、何か新しいサービスが出てくるだろうし、通信が高速になればそれに合わせて新しいものが出てくる。
動画系は絶対くるかな、と思ってます。LINEスタンプは今アニメーションしますよね。これがよりリアルな動画になるんじゃないかな。いつかはLINEのタイムラインで映画を見るようになっているかもしれないですね、予告編とか。
別井:スマートウォッチの話もありましたが、その他のいろいろなハードウェアをスマートフォンからコントロールしたいというニーズも出てきそうですが。
山根氏:IoTって言われていますけども、スマートフォンがハブになってあらゆるものとつながるとなれば、使われ方も変わってくると思いますね。働いているお父さんお母さんだったら、画面の上半分に家にいる子供の姿が動画や静止画で写っているかもしれないし、会社の会議室の予約状況が出ているかもしれないし、家の鍵の状態が映っているかもしれないし、すべてがつながってくる。
となると、CPUは速くならないといけないし、メモリもたくさん必要だし、より省電力にして電池をもたせなくてはならない。そのためにはワイヤレスや急速充電も必要。ハードウェアの進化っていうのは絶対必要で、ただそれが主体になってはいけないなと。それにいち早く気が付いたのがS6とS6 edgeなんですよね。気付いてなかったらまったくダメなものになっていたかなという気がします。
別井:これほどまでに山根さんが惚れ込んでいるS6/S6 edgeですが、最後にサムスンに言いたいことはありませんか。
山根氏:新しい技術なり、アイデアなりのイノベーションは常に追い続けてほしいですよね。他のメーカーがやらないことを昔はよくやっていました。ここ1、2年はちょっとそこが抜けてた。このS6/S6 edgeが1年か2年前に出てたら……と思ってしまうくらいです。
スマートフォンメーカーであり家電メーカーでもあり、そして部品を持っている。そこを活かした製品作りは続けてほしい気がしますね。わくわく感のある製品を出してほしい。Galaxyやサムスンという名前、ブランドに関わらず、常に新製品に関しては100%のものを出してもらえれば。
別井:ここはこうすべきじゃないか、みたいなところはありますか?
山根氏:うーん……。日本のSIMフリー市場が盛り上がっているから、キャリア向け以外の、グローバルにはリリースしているユニークで魅力的な端末を積極的に出してほしいですね。ズームレンズ付きの「Galaxy K zoom」とか、プロジェクター内蔵の「Galaxy Beam」とか。初代Galaxyを日本に投入した時のように、チャレンジャー精神を忘れずに、アグレッシブに攻めてほしいなと思っています。
提供:サムスン電子ジャパン
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