子どもの大事な場面を、きちんと逃さずに撮れるカメラ。そんなカメラは、自分だけじゃなくて多くの親御さんに求められていると感じました。だから、"サクサク"動く"究極のストレスフリー"カメラを目指したわけです。実はこれこそが、現在のZR300へと繋がる"本質的"な"差別化"につながりました。というのも、これまでのデジタルカメラというのは、外堀を埋めるような付加価値優先の物作りだったのです。けど、それではダメだと。"サクサク"動くことこそがデジタルカメラに求められてきた機能であり、我々がやるべきことだと着目しました。ZRシリーズは、そういった"サクサク感"を追求するシリーズともいえますね。
--カメラ性能としての"サクサク感"はどのメーカーも研究していると思いますが、御社ではどのような方法で達成しているのでしょうか。
デジタルカメラの"処理"の話をすると、シャッターを押してから画像データになるまでの間に、大きく撮影と画像処理という2つの処理を行わなくてはなりません。システムを複数内包できれば処理の高速化が望める。そういった発想で"デュアルCPUシステム"である「EXILIMエンジンHS」を開発・採用しました。当然、問題もあります。まず、これだけのシステムとなると、コストがかかる。そして処理が多くなる分、熱問題も発生する。さらには、物理的なスペースの確保が必要……、さまざまな問題をひとつずつクリアし、どうにかZRシリーズに相応しいコンパクト性を保つことができました。
--付加価値よりもまずはカメラとしての使い勝手を優先したということですね。
その通りです。ですが、その次の段階に進まなくてはなりません。ZRシリーズは、親の視点で考えた、いわゆる"親バカカメラ"です。根幹となるのは、起動やAFの素早さ、そして、トータルとしてのサクサク感であり、それは変えてはならないと思っています。しかし、市場的な意味合いでは、カメラへの機能的な付加価値が求められています。その応えとして遅咲きではありますが、撮った時の感動を味わっていただきたく"アートショット"をZR300に採用しました。トイカメラやソフトフォーカス、ライトトーンなど、一味違った写真の撮れる機能です。また、差別化という意味で、フラッシュを利用しなくても暗い場面を明るく撮影できる「HS ナイトショット」という機能を搭載しました。この機能は、例えば水族館などのフラッシュを焚けない環境下で使うことを想定しています。そしてこれは"高速連写合成"技術を利用することで実現した機能でもあります。
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