AIスタートアップのPerplexityが、Googleの「Chrome」ブラウザーの買収を正式に提案した。Perplexityは、チャットボットや大規模言語モデル(LLM)を活用した検索エンジンを手掛けている。
提案した買収額は345億ドル(約5兆円)で、Perplexityの現在の企業価値を上回る。7月時点で同社の評価額は180億ドル(約2兆7000億円)と、提案額の半分強だ。同社によると、複数の投資家がChrome買収の支援に関心を示しているという。
この提案は、米司法省が2024年に提起した反トラスト訴訟でGoogleが敗訴したことを受けたもの。
この訴訟で判事は、Googleがインターネット検索業界で違法な独占状態を維持していると判断した。検討されている救済措置の1つに、GoogleがChromeブラウザー事業を分離・売却することがある。司法省の文書では、これにより検索エンジンをめぐる競争がより公平になると主張している。
GoogleはChromeの分離やビジネスモデル変更の計画を具体的に示していない。同社は司法省の提案について、「過激な介入主義の政策」だとして対抗する構えを示した。
救済措置に関する裁判所の判断は8月中に下される見込みだ。
GoogleとPerplexityの担当者は、コメントの依頼にすぐには応じなかった。
Perplexity自体も、大手IT企業から関心を集めてきた。Metaは2025年に入りPerplexityに買収を打診したが、合意には至らなかったとされる。
PerplexityがChromeブラウザーを獲得すれば、Google、Meta、OpenAIといったはるかに大規模な企業を相手とするAI開発競争で大きな優位性を得る可能性がある。Perplexityはエンジニアの採用に投じる資金の規模では大手企業にかなわないが、世界最大の検索エンジンを手にすることは、自社の自律型AI検索モデルの構築に役立つだろう。
PerplexityはAI搭載ブラウザー「Comet」を7月に公開したばかりだ。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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